研究課題/領域番号 |
22K11798
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
|
研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
村上 宏 弘前大学, 医学研究科, 客員研究員 (20344608)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | エクオール / 2型糖尿病 |
研究開始時の研究の概要 |
エクオールは腸内細菌によって産生される大豆イソフラボン由来のエストロゲン類似物質である。エストロゲン作用に加えて、抗アンドロゲン作用や抗酸化作用を有し、前立腺がん、乳がん、更年期症状、認知機能低下などの予防や骨密度の維持、生活習慣病のリスク低減などの多面的な効果が報告されているが、2 型糖尿病患者におけるエクオール産生者の比率や合併症を含めた糖尿病の病態に対する影響についてはほとんど知られていない。本研究では健常者および 2 型糖尿病患者を対象としてエクオール産生能を調査し、エクオ ールが糖尿病患者の病態に及ぼす影響を明らかにする。
|
研究実績の概要 |
令和4年度は、一般住民検診を受診した糖尿病の合併のない方(健常人)および弘前大学医学部附属病院内分泌代謝内科に通院中の2型糖尿病患者を対象として、研究参加者の募集ならびに検体収集を行った。対象者に研究内容を説明し、同意が得られた方から中間尿2mLを採取し凍結保存を行った。最終的に検体数は糖尿病症例1395名、一般住民検診受診者1113名となった。一部の検体については、以下の手順に従って尿中ダイゼインおよびエクオール濃度の測定を開始している。(1)尿検体のイソフラボンおよびその代謝物(エクオール)画分を脱抱合酵素処理後に抽出 し、HPLCにて測定後、尿中濃度を算出する。(2)得られた濃度を用いて、ダイゼインとエクオールのモル比より、エクオール産生能(エクオール産生者/非産生者)を判定する。併せて、対象者について以下の臨床背景の調査も開始している。(1)身長、体重、空腹時の脂質データ、高血圧症の有無、(2)糖尿病症例を対象として、糖尿病の糖尿病の発症年齢・治療内容、空腹時血糖、HbA1c、インスリン、C-ペプチド、糖尿病網膜症・腎症の病期、アキレス腱反射の有無、下肢振動覚、末梢神経伝導速度。得られたデータは順次、コンピューターへ入力し、後日の統計解析に備えている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初、予定検体数は2型糖尿病症例200名、健常人対象者400名程度を予定していた。告知にて研究への協力者を募集したところ、予定を超える検体を集めることができ、最終的に検体数は糖尿病症例1395名分、一般住民検診受診者1113名分となった。これらの検体のエクオール測定、臨床背景の調査に時間を要する見込みとなった。
|
今後の研究の推進方策 |
令和5年度以降は、以下の研究を計画している。(1)全検体を対象として、尿中イソフラボン代謝産物の測定を行い、各個人のエクオール産生能の判定を行う。(2)対象者全員に身体測定、臨床背景の調査を実施する。(3)2型糖尿病症例については、診療録から臨床データ(糖尿病の発症年齢・治療内容、空腹時血糖、HbA1c、インスリン、C-ペプチド、糖尿病網膜症・腎症の病期、アキレス腱反射の有無、下肢振動覚、末梢神経伝導速度)を調査する。 得られたデータは順次、整理・コンピューターへの入力を行い、統計学的解析の準備を行う。糖尿病の有無によるエクオール産生者の比率を調査し、エクオール産生が臨床背景に及ぼす影響について検討を進める。
|