研究課題/領域番号 |
22K11811
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 札幌保健医療大学 |
研究代表者 |
金高 有里 札幌保健医療大学, 保健医療学部, 准教授 (80420909)
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研究分担者 |
竹嶋 伸之輔 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 教授 (60342812)
中村 禎子 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 教授 (60382438)
田辺 賢一 中村学園大学, 栄養科学部, 准教授 (60585727)
望月 和樹 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (80423838)
和田 亘弘 札幌医科大学, 医学部, 助教 (30724661)
中山 敏幸 産業医科大学, 医学部, 教授 (30284673)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 葉酸過剰摂取 / DOHaD / 胎生期 / プテロイルモノグルタミン酸 / 妊娠期 / 離乳期 / 代謝性疾患 / 腸内細菌 / 葉酸過剰 / 葉酸 / インスリン / 脂肪肝 / 腸内細菌叢 |
研究開始時の研究の概要 |
妊娠期の葉酸付加摂取が児の神経管閉塞障害発症リスクを抑制することから、妊婦に対する人工葉酸摂取が推奨されている。一方、我々はマウスおよびヒトにおいて、妊娠期の人工葉酸過剰摂取が子に有害事象を誘導しかねない知見を得た。具体的には、妊娠マウスの人工葉酸過剰摂取により、仔のインスリン遺伝子(Ins2)とインターフェロン γ(Inf-γ)遺伝子の発現低下、出生仔における耐糖能異常や肝臓中中性脂肪の蓄積、さらに、耐糖能異常のフラクトオリゴ糖摂取による改善を明らかにした。そこで本研究では、胎生期の葉酸過剰摂取による代謝性疾患の誘導の主要因が母仔の腸内環境にあると仮説をたて、メカニズムを解明する。
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研究実績の概要 |
我々はマウスおよびヒトにおいて、妊娠マウスのプテロイルモノグルタミン酸型葉酸の過剰摂取により、出生仔では成長に伴い耐糖能異常や肝臓に脂肪が蓄積されやすいこと、離乳後の高ショ糖・高脂肪食によって惹起される肝臓への脂肪の蓄積は、腸内細菌叢を改善するフラクトオリゴ糖摂取により改善すること、ヒトでは母親の妊娠期葉酸過剰摂取により子の喘息発症リスクが上がることを明らかにしてきた。そこで、「妊娠期の過剰なプテロイルモノグルタミン酸型葉酸の過剰摂取は、仔の腸内細菌叢の撹乱および腸内細菌代謝産物の変化を介し、腸バリア機能と消化管ホルモンの低下を介して代謝性疾患が誘導される」という仮説を、腸内細菌の代謝産物を介した腸バリア機能と消化管の機能形態学的変化の側面から検証することを目的として、妊娠期葉酸過剰モデルマウスを用い、出生仔の離乳時期に起こっている事象について糞便を用いた腸内細菌解析および消化管組織の変化を中心に検討を行う。 具体的には、マウスを用いた母仔腸管透過性の変化と生活習慣病リスクとの関連の検討について、妊娠0日目のC57BL6Jマウスを2群に分け、対照(CN:AIN-93G 葉酸2 mg/kg)食、 葉酸過剰(EFA:葉酸40 mg/kg)食を出産まで与え、離乳時に解剖を行った。解析は、基本パラメータ:血液パラメータ(血糖 、インスリン、中性脂肪) (b)腸管透過性:小腸、大腸切片を用いたバリア機能低下評価、腸管のタイトジャンクションの形成に関わるクロージン、オクル―ディン、ムチン等を用いた免疫組織化学的評価、(c) mRNA発現解析: qRT-PCRによる大腸のバリア機能関連遺伝子や肝臓の脂質代謝遺伝子の発現を検討する。また、母仔獣糞便の解析および、腸透過性の変化、脂肪肝を検証する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
申請者の所属する大学機関には、動物飼育施設や解析機器がないため、他大学に所属する共同研究者の力を借りて研究を進めている。また、コロナ禍では自由な行き来が制限されていたことから、動物実験や解剖が予定通り進まなかったことが起因する。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍があけたため、解剖実験や飼育が可能となった。このことから、継続的な研究の実施により、解剖およびサンプルの解析の実施を進めていく。 また、研究分担者に病理学の専門家である産業医大の中山先生に入っていただいたことから、免疫組織学的検討を以前よりもスムーズかつ専門的に進めることが可能となった。 また、腸内細菌の解析は終わっているため、データ化して学会発表および論文としてまとめる予定である。
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