• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

肝臓におけるDHAを介したエネルギー基質応答性の代謝調節機構

研究課題

研究課題/領域番号 22K11813
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分59040:栄養学および健康科学関連
研究機関日本医科大学

研究代表者

菱川 大介  日本医科大学, 医学部, 講師 (10569966)

研究分担者 酒井 真志人  日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (40643490)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワードドコサヘキサエン酸 / 肝細胞 / エネルギー代謝調節 / オメガ3脂肪酸 / 生体膜リン脂質 / 脂質代謝 / エネルギー代謝
研究開始時の研究の概要

オメガ3脂肪酸であるドコサヘキサエン酸(DHA)は肝臓における脂質合成を抑制することが知られているが、DHAは脂質メディエーターの前駆体、膜リン脂質の構成成分、受容体のリガンドなど幅広い機能を有しているため、その機構や意義については十分に明らかになっていない。本研究は、DHA含有リン脂質合成に必須の酵素である1-acylglycerol-3-phosphate O-acyltransferase 3(AGPAT3)の肝細胞特異的欠損マウスを用いて、肝細胞におけるDHA含有リン脂質欠乏が離乳期の成長や肝疾患発症・進展に及ぼす影響を解析し、その機構の解明を試みる。

研究実績の概要

肝細胞特異的にDHA含有リン脂質合成に必須の酵素であるAgpat3を欠損する(Agpat3-HKO)マウスを用いた解析を実施した。前年度はタモキシフェン誘導性の肝細胞特異的欠損モデル(AlbCreERT2)を使用した解析を行ったが、タモキシフェン自身の影響を排除するため、タモキシフェンを使用しないモデル(AlbCre)を用いたAgpat3-HKOマウスを作製した。
肝細胞および肝臓におけるトランスクリプトーム解析(RNA-seq)の結果、タモキシフェンを使用しないモデルにおいてもAgpat3の欠損がエネルギー代謝関連遺伝子群の発現を誘導することが明らかとなった。
Agpat3-HKOマウスにおいてはDHA含有リン脂質が欠乏する一方、その基質であるDHA-CoAが蓄積することが予想される。そこで、そのどちらがAgpat3-HKOにおいて見られるエネルギー代謝関連遺伝子群の発現変化に寄与しているのかを解析した。肝細胞にDHA-CoAを蓄積させるモデルとして、アデノ随伴ウイルス(AAV)を用いて脳におけるDHA-CoA合成酵素である長鎖アシルCoA合成酵素6(Acls6)を肝細胞特異的に過剰発現させる実験系を構築した。定量RT-PCR解析の結果、肝細胞におけるAcsl6過剰発現は、一部のエネルギー代謝関連遺伝子においてはAgpat3-HKOと同様に発現を増加させる一方で、いくつかの遺伝子についてはAgpat3-HKOとは逆に発現が抑制されることが明らかとなった。
これらの結果から、Agpat3欠損において見られる肝細胞の遺伝子発現プロファイルの変化には、DHA含有リン脂質の欠乏とDHA-CoAの蓄積が独立して寄与している可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

マウスを用い、in vivoにおいてDHA代謝を変化させるモデルを構築し、それらの肝細胞における遺伝子発現プロファイルの変化を明らかにすることができた。

今後の研究の推進方策

令和5年度までに実施した研究から、Agpat3-HKOマウスにおいて見られるエネルギー代謝関連遺伝子群の発現変化が、肝細胞におけるDHA含有リン脂質欠乏やDHA-CoAの蓄積を含む独立した複数の経路を介していることが明らかとなった。そこで令和6年度は、オメガ3脂肪酸含量の異なる複数の高脂肪食による負荷をAgpat3-HKOマウスや肝細胞Acsl6発現マウスにおいて行い、DHA代謝動態の変化がエネルギー代謝表現型に与える影響を明らかにする。また、それらのマウスの肝細胞におけるトランスクリプトーム解析(RNA-seq)に加え、ゲノムワイドなオープンクロマチン解析(ATAC-seq)や活性化エンハンサーの同定(ChIP-seq)を実施することにより、その分子基盤を明らかにする。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 3件)

  • [雑誌論文] Trpv4-mediated apoptosis of Leydig cells induced by high temperature regulates sperm development and motility in zebrafish2024

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto Yasuhiro、Hishikawa Daisuke、Ono Fumihito
    • 雑誌名

      Communications Biology

      巻: 7 号: 1 ページ: 1-11

    • DOI

      10.1038/s42003-023-05740-y

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Impact of perinatal maternal docosahexaenoic acid-containing phospholipid synthesis on offspring growth and neurological symptoms2024

    • 著者名/発表者名
      Kanatani Ayumi、Hishikawa Daisuke、Nagata Katsuyuki、Hamano Fumie、Nakano Kenta、Okamura Tadashi、Shimizu Takao、Shindou Hideo、Nagamatsu Takeshi、Yanagida Keisuke
    • 雑誌名

      BioRxiv

      巻: なし ページ: 1-50

    • DOI

      10.1101/2024.01.06.574487

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] Lysophosphatidylcholine acyltransferase 1 controls mitochondrial reactive oxygen species generation and survival of retinal photoreceptor cells2022

    • 著者名/発表者名
      Nagata Katsuyuki、Hishikawa Daisuke、Sagara Hiroshi、Saito Masamichi、Watanabe Sumiko、Shimizu Takao、Shindou Hideo
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry

      巻: 298 号: 6 ページ: 101958-101958

    • DOI

      10.1016/j.jbc.2022.101958

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi