研究課題/領域番号 |
22K11822
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宮崎 啓史 東北大学, 医学系研究科, 助教 (90803867)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | アルツハイマー型認知症 / ミクログリア / 肥満 / 脂質 |
研究開始時の研究の概要 |
肥満や脂質異常症は、認知機能低下やアルツハイマー型認知症(AD)などの神経変性疾患の病態とも関連することが知られるが、そのメカニズムの詳細は不明である。近年、脳の免疫系細胞ミクログリアの活性化機能が、認知機能障害やAD 病態に重要な役割を果たす可能性が示され、その機能制御機構の解明が注目されている。本研究では、肥満や高脂肪食摂取による脳脂質環境変化がミクログリア機能を修飾し、高次機能や神経変性疾患の病態進行に影響を及ぼすという仮説の検証を行う。本研究遂行により、肥満による認知機能障害やAD の病態メカニズムの解明のみならず、ミクログリア機能が関与する様々な疾患病態解明への発展が期待できる。
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研究実績の概要 |
肥満や脂質異常症は、認知機能の低下やアルツハイマー型認知症(AD)などの神経疾患の病態とも関連することが知られるが、そのメカニズムの詳細は未だ不明である。近年、脳の免疫系細胞であるミクログリアの活性化機能が、認知機能障害やAD病態に重要な役割を果たす可能性が示されており、その機能制御機構の解明が注目されている。本申請では、ミクログリアの細胞内代謝バランスを介した活性化制御機構に着目し、脂質栄養状態におけるミクログリアの活性化制御機構の解明と、そのミクログリア機能がシナプスの形態・機能やADの発症・進行に及ぼす影響を明らかにすることを目的とする。 当該年度において、高脂肪食を与えたADモデルマウス(HFD-ADマウス)は、通常食を与えたADモデルマウス(ND-ADマウス)と比較して、脳内にアミロイド斑が多く蓄積することが分かった。さらにそれに伴う、神経障害が増悪している可能性も示唆された。マウスの行動実験において、HFD-ADマウスは、ND-ADマウスに比較して、記憶が低下していることが観察され、高脂肪食摂取により認知症の病態を悪化させることが確認された。さらに、ミクログリアの局在や形態を脳組織で観察したところ、アミロイド斑に集積するミクログリアがHFD-ADマウスで低下することが分かった。さらに、脳ではミクログリアに特異的に発現し、βアミロイドのクリアランスに重要な分子であるTrem2の発現を、単離ミクログリアで観察したところ、ND-ADマウスに比べて、HFD-ADマウスでTrem2発現が低下していた。以上のことから、高脂肪食摂取は脳ミクログリアのTrem2発現抑制を介して、ADの病態悪化と記憶力の低下を促進する可能性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請書の研究計画に沿って概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
申請書の研究計画に沿って、令和5年度、6年度の研究を遂行する。
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