研究課題/領域番号 |
22K11828
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
有持 秀喜 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (30311822)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 脂肪炎症 / マクロファージ / 高脂肪食 / 酸化的障害 / 2型糖尿病 / 脂肪炎症性疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
脂肪炎症が見られる患者から新規に同定された原因遺伝子Xの変異をもつ遺伝子改変マウスに高脂肪食を与えたところ脂肪組織中の炎症性細胞の浸潤が増大したが、その機序や肥満による生活習慣病への影響は不明である。そこで本研究では遺伝子Xの変異が脂肪炎症を促進する機序を明らかにし、生活習慣病に関与するのかどうかを明らかにすることで、新規炎症性疾患の発症機序や、生活習慣病の新たな発症機序を解明する。
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研究実績の概要 |
不健康な食習慣は肥満と脂肪組織の慢性炎症を引き起し、生活習慣病の原因となることが知られている。研究代表者は脂肪炎症が見られる患者から新規に同定された疾患原因遺伝子Xの変異と同じ遺伝子変異を持つマウスに高脂肪食を与えると、脂肪組織中のマクロファージの割合が増加するという結果を得ているが、詳細な機序は不明のままであった。そこで対照マウスおよび変異マウスに10週間、高脂肪食を投与し脂肪組織を回収してコラゲナーゼ処理を行い、脂肪細胞画分と間質血管細胞群に分けて遺伝子発現を検討したところ、脂肪細胞画分では対照マウスよりも変異マウスの方がCcl2遺伝子の発現が高いのだが、間質血管細胞群では両者の間で有意な差が見られないことが分かった。高脂肪食を与えた変異マウスにCCL2中和抗体を腹腔内投与したところ、脂肪組織中のマクロファージの数が通常食を与えたコントロールマウスと同程度にまで減少したことから、CCL2が疾患原因遺伝子Xの変異による脂肪組織マクロファージの遊走や蓄積に重要であることが明らかとなった。高脂肪食の摂取は脂質酸化を引き起こすことが知られているので、脂肪組織の酸化的障害を検討したところ、高脂肪食を与えた変異マウスでは高脂肪食投与の対照マウスと比較して脂肪組織中の活性酸素種レベルや脂質酸化マーカーであるマロンジアルデヒド量が増加しており、変異マウスでは脂肪組織の酸化的障害が上昇していることが明らかとなった。さらに脂質酸化が高脂肪食を与えた変異マウスで見られる脂肪炎症に関与しているのかどうかを明らかにするため、抗酸化剤であるN-アセチルシステインを高脂肪食と共に与えたところ、変異マウスの脂肪組織で見られたマクロファージの遊走及びIl1b遺伝子の発現が抑制されたことから、今回見られた脂肪炎症は脂肪組織における脂質の酸化的障害が関係していることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
周期性発熱と脂肪炎症が見られる患者から新規に同定された疾患原因遺伝子Xの変異と同じ変異を持つマウスに高脂肪食を与えた際に見られる脂肪組織へのマクロファージの浸潤に関する機序を明らかにすることを目的としており、令和5年度の研究によりさらに機序の一端が明らかとなったため、おおむね順調であると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
高脂肪食を与えた変異マウスに見られる脂肪組織へのマクロファージの浸潤および脂肪炎症の促進に関する機序をさらに解明するため、脂肪組織や脂肪細胞を用いたin vitroの実験系で炎症性サイトカインの産生に関係するシグナル伝達を明らかにするとともに、マウス個体を用いた実験系においてもその関与を検討していく。また、この変異マウスに見られる脂肪炎症が2型糖尿病に及ぼす影響についても検討することで、生活習慣病の新たな発症機序の解明や新規治療標的の発見を目指す。
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