研究課題/領域番号 |
22K11844
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛 |
研究代表者 |
高橋 さやか 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 薬理学, 助教 (20791651)
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研究分担者 |
佐藤 泰司 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 生化学, 教授 (10505267)
石塚 俊晶 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 薬理学, 教授 (30399117)
高山 英次 朝日大学, 歯学部, 准教授 (70533446)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 高脂肪食 / 加齢 / サルコペニア / IL-1β / 高脂肪高ショ糖食 / サルコペニア肥満 / LXR / 腸内細菌叢 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、サルコペニア肥満への加齢と高脂肪食摂取の関与が注目されている。また、加齢や 高脂肪食摂取による腸内細菌叢の乱れ、制御性T細胞機能・腸管バリア機能の低下およびリ ポポリサッカライド(LPS)産生の亢進が報告されている。さらに、脂肪組織や骨格筋組織で の慢性炎症がサルコペニア肥満の病態形成につながる可能性が指摘されている。我々は、加齢や高脂肪食摂取による腸内細菌叢や腸内環境の変化が、免疫細胞機能の変化、脂肪組織や骨格筋組織の炎症からサルコペニア肥満に至る詳細な分子機序を解明するとともに、新たなサルコペニア肥満治療の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
8週令のSAMP8マウスや対照マウスに通常飼料あるいは高脂肪高ショ糖飼料を与えて16週間飼育した後、強制水泳試験、尾懸垂試験、Y迷路試験、新規物体認識試験の行動実験を行い、各群での抑うつ傾向と認知機能評価を実施した。その結果、SAMP8マウスへの高脂肪高ショ糖食負荷は、認知機能への有意な影響を与えなかったが、抑うつ様行動異常は有意に増悪させることが明らかになった。 また、マウス後肢の骨格筋量をX線CTで、前肢の筋力をワイア・ハングテストと握力測定試験で測定し、サルコペニアの評価を実施した。さらに、X線CTで腹部の脂肪量を定量し体脂肪率を算出した。その結果、SAMP8マウスへの高脂肪高ショ糖食負荷は後肢の骨格筋量および前肢の筋力をいずれも低下させたが、体脂肪率は増大させた。これより、SAMP8マウスへの高脂肪高ショ糖食負荷は、サルコペニア肥満を誘発することが示唆された。 次に、脳、脂肪、肝臓、小腸および骨格筋を摘出しホモジナイズした後、IL-1β、TNFα、IL-6の発現量をELISAにて定量し、インフラマソーム活性化およびSASPによる炎症系サイトカイン産生の評価の指標とした。その結果、SAMP8マウスへの高脂肪高ショ糖食負荷は脳や骨格筋での炎症性サイトカインの発現量に変化を与えなかったが、肝臓、小腸、特に脂肪組織におけるIL-1βやTNFαの発現量を亢進させた。また、摘出したヒラメ筋および腓腹筋の標本をSIRT1, PGC-1α活性で染色し、筋ミトコンドリア合成を評価した。その結果、SAMP8マウスへの高脂肪高ショ糖食負荷はPGC-1α発現筋線維を減少させる傾向がみられた。SAMP8マウスへの高脂肪高ショ糖食負荷は脂肪組織での炎症と筋ミトコンドリア合成低下を誘導することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年に続きマウスを継続飼育しての実験を行ったため、迅速に当該年度に予定していた実験を行うことができた。また、CTやワイヤハンギング、採血等の手技が定着したために、より精度の高いデータを得ることができている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は高脂肪高ショ糖食負荷した老化促進マウスに対して、腸内環境改善を目的としたプロバイオティクス飼料の投与を行い、サルコペニア肥満に及ぼす影響を検討する方針である。しかし、代表研究者が本年より育児休暇を取得する予定であるため、本年度から来年度にかけての研究進捗はあまり見込めないことが予想される。
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