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確立した自然免疫記憶は肥満病態の進行に影響を与えるのか=BCGをモデルとして=

研究課題

研究課題/領域番号 22K11878
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分59040:栄養学および健康科学関連
研究機関琉球大学

研究代表者

稲福 征志  琉球大学, 農学部, 准教授 (90457458)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワードBCG / 耐糖能異常 / 2型糖尿病 / 脂肪肝 / 自然免疫記憶 / 肥満 / 耐糖能 / 糖尿病 / メタボリックシンドローム / 免疫記憶
研究開始時の研究の概要

これまでに本申請者は結核ワクチンBCG菌を摂取することでマウスの耐糖能異常の発症が抑制されることを確認しているが,その詳細メカニズムについては未解明であった。近年,BCG菌によって自然免疫記憶が誘導されることが明らかにされており,この自然免疫記憶が上記の耐糖能異常の抑制に関与している可能性が見出されている。従って,本研究では自然免疫記憶と肥満関連病態の関連性を明確化して,耐糖能異常および糖尿病の発症における自然免疫記憶の影響に関する新たな知見を得る。

研究実績の概要

昨年度までの研究では,BCG接種・未接種マウスに高脂肪食を接種させた際の耐糖能の経時的変化を追跡した。本年度においては,予めBCG接種を施していたマウスの耐糖能異常およびインスリン抵抗性の進行が,BCG未摂取群と比較して鈍化することが明らかとなった。また,実験終了後の血液生化学的分析においては,BCG接種群の空腹時血糖値,空腹時インスリンレベル,インスリン抵抗性指数HOMA-IRが有意に低下することが明らかとなった。また,耐糖能異常下では膵臓ランゲルハンス島の肥大化が認められることが明らかとなっているが,本実験のBCG摂取群のランゲルハンス島面積は,未摂取群のものよりも有意に小さい値を示していた。また,空腹時グルカゴンレベルに顕著な影響は認められなかったが,グルカゴン/インスリン比がBCG未接種群よりもBCG摂取群において有意に高値を示すことが明らかとなった。近年では,このグルカゴン/インスリン比は,2型糖尿病患者が非アルコール性脂肪肝に罹患することで低下する可能性が示されており,本実験におけるマウス肝臓の脂質含有量を測定したところ,BCG摂取群においては肝臓脂質量が低値を示す傾向(p=0.06)が認められた。以上の結果より,高脂肪食接種によって誘導される糖代謝異常の進展が鈍化すること,また,それらに付随する脂肪肝の進展も鈍化することが明らかとなり,それらにはBCG接種によって変動した自然免疫記憶が関与している可能性が示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

初年度において,Buslfan処理による骨髄破壊の条件最適化に時間を要したため,必然的に今年度の実験もやや遅れることとなった。今年度においては,移植骨髄細胞率が95%以上となる同骨髄破壊の実験条件を最適化できたため,現在はBCG接種マウスの骨髄細胞を移植することによる耐糖能の変動を解析している。

今後の研究の推進方策

本年度においては,BCG接種による自然免疫記憶と耐糖能以上進行遅延の関連性を見出すために,コンジェニックマーカーCD45分子が異なるコンジェニックマウス(CD45.1とCD45.2)を用いた骨髄移植実験を実施する必要があるため,BCG接種したマウスの骨髄由来細胞を骨髄破壊したマウスにした際の耐糖能の変動について解析を進める。更には自然免疫記憶の主たる免疫細胞であるマクロファージ移植による影響についても解析を進める。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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