研究課題/領域番号 |
22K11883
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 文教大学 |
研究代表者 |
浅川 雅美 文教大学, 健康栄養学部, 教授 (80279736)
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研究分担者 |
岡野 雅雄 文教大学, 情報学部, 教授 (40224042)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | NPモデル / アイトラッキング / Nutri-Score / 3色信号機形式表示 / 注目 / 食品選択 / 食品パッケージ / 栄養成分表示 / 食品表示 / ヘルスラベル / 栄養プロファイリングモデル / 栄養情報 |
研究開始時の研究の概要 |
わが国では、加工食品の栄養成分表示が義務づけられておりパッケージに表形式で示しているが、消費者にほとんど注目・理解されていない状況である。どのような表示形式にすればヘルスラベルの注目・理解度が高まるのかについては、欧米では知見が体系化しつつあるものの、わが国では包括的に検討されていない。そこで本研究では、これについて消費者特性別に検討する。 2022年と2023年に、大学生60名を対象に予備調査で選定した6食品に4種類のヘルスラベルをつけた実験刺激を用いるアイトラッキング実験を行う。また実験後、各ヘルスラベルに対する理解度・イメージ・好感度および消費者特性(健康への関心度)について質問する。
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研究実績の概要 |
わが国では原則としてすべての加工食品に栄養成分表示が義務付けられているが、それを活用するためには、一日当たりの摂取量の目安など栄養学に関する知識が求められる。他方、国外では、栄養成分表示に加えて、食品の栄養価を総合的に判断できるよう区分またはランク付けする栄養プロファイリングを用いたNPモデルが活用されているケースもある。わが国でも、NPモデルの必要性を訴求する論文がここ数年で散見されているものの、まだNPモデル自体が存在しないため、どのような表示形式にすると注目度が高まるのかについて検討した研究は見当たらない。そこで本研究では、どのような表示形式のNPモデルにすれば、注目・理解度が高くなるのかについて、アイトラッキング実験によって検討している。 2022年度は、11月~12月に、37名の大学生を対象にアイトラッキング実験を行った。具体的には、被調査者に、1名ずつ大学内の研究室に仮設した専用室に予約の時間に来てもらった。そして、アイトラッカーが搭載されたパソコンモニターの正面に着席してもらい、画面上で、実験刺激をランダムに提示し、その視線の動きを記録した。さらに、各ラベルに対する理解度・イメージ・好感度および消費者特性(健康への関心度)について質問紙で回答してもらった。その後、アイトラッキング実験で得られた画像を再生して、調査者と被験者で一緒に見て、①なぜある部分を注意して見ていたか、②ラベルの印象について、③質問紙調査での回答(例:なぜ、この食品を「非常に健康的」と回答したか)、に口頭で回答してもらった。 なお、実験刺激としては、先行研究を参考に、栄養スコアの高い食品2種類、低い食品2種類、中間の食品1種類の合計5種類の乳製品(ヨーグルト3種類とアイスクリーム2種類)を選定した。そして、それぞれについて、a)栄養スコア表示およびb)3色信号機形式表示の2条件で操作した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は、新型コロナウイルス感染症が未だ2類であったため、実験を予定通りに遂行できるか否か不安のあるなかで、11月~12月に、50名の大学生を対象に下記に示したアイトラッキング実験を計画した。幸いなことに、(当日、体調が悪く欠席したケースも複数あったものの)無事に、37名の大学生を対象に第1回アイトラッキング実験を無事に実施できた。 具体的には、被調査者に、1名ずつ大学内の研究室に仮設した専用室に予約の時間に来てもらった。そして、アイトラッカーが搭載されたパソコンモニターの正面に着席してもらい、画面上で、実験刺激をランダムに提示し、その視線の動きを記録した。さらに、各ラベルに対する理解度・イメージ・好感度および消費者特性(健康への関心度)について質問紙で回答してもらった。その後、アイトラッキング実験で得られた画像を再生して、調査者と被験者で一緒に見て、①なぜある部分を注意して見ていたか、②ラベルの印象について、③質問紙調査での回答(例:なぜ、この食品を「非常に健康的」と回答したか)、に口頭で回答してもらった。 現在、アイトラッキング実験時に得られた視線データ、質問紙調査、および実験後の聞き取り調査で得られた口頭データを解析している。この解析結果を2023年度8月に学会発表を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度に行った第1回目のアイトラッキング実験の解析結果を2023年度8月に学会発表を行うが、その際の質疑応答によって得られた知見および、口頭データから推察される実験上の反省点などを考慮して、2023年度10月~12月に50名の大学生を対象に以下に示すような第2回目のアイトラッキング実験を実施したい。なお、50名を選定するために、2023年度6月に、約230名を対象に予備調査を行う。 ・実験刺激: 先行研究を参考に、栄養スコアの高い食品2種類、低い食品2種類、中間の食品1種類の合計5種類の食品を再度選定する。そして、それぞれについて、第1回実験(予備実験)では、a)栄養スコア表示およびb)3色信号機形式表示の2条件で操作したが、第2回実験(本実験)では、a)栄養スコア表示およびb)3色信号機形式表示にc)チェックマーク、d)表形式の4条件で操作する。(食品5種類とヘルスラベル4種類の組み合わせで、計20のパッケージを制作する) ・実験の具体的手順: 各画面について、以下のような質問をする。a)「自分が食べるために買うとしたら、画面に示されている食品のうちどれがよいか、マウスクリックして教えてください」というタスクを与え、買いたい商品を画面上で選んでもらう。b)「なぜ、それを選んだのか」の理由について口頭で報告してもらう。c)実験終了後、各ヘルスラベルに対する理解度・イメージ・好感度および消費者特性について質問紙で回答してもらう。
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