研究課題/領域番号 |
22K11893
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 畿央大学 |
研究代表者 |
上地 加容子 畿央大学, 健康科学部, 教授 (50390208)
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研究分担者 |
山本 隆 畿央大学, 健康科学部, 教授 (60028793)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 味覚検査法 / 顔面表情解析 / 嗜好学習 / 味覚感受性 / 機能的近赤外分光分析(fNIRS)装置 / 顔面表情の感情解析 / おいしさの評価 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では食行動にかかわる要因の中で、特に味覚の発達とおいしさの評価について取り上げる。味覚の発達の尺度ともいえる味覚感受性は経年的にどのような変化を示すのか、幼児期に経験したおいしさは、成人期や高齢期になっても記憶に留められ嗜好性の学習として維持するのか否かを明確にすることで、高齢者の健全な食生活、生活習慣病予防における乳幼児期からの食育推進の重要性を科学的に立証する。また、食べることは生きていくうえで必須の行動であり、おいしく味わうことは必要不可欠であることから、味覚とおいしさの簡便かつ正確な評価法を開発し、それを用いて年齢横断的に食嗜好の実態を検証し、幼児期の食育の有用性を明確にする。
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研究実績の概要 |
幼児から健康な高齢者までを対象に、同一の方法で味覚の閾値を求め年齢横断的に比較することを目的とした研究を行っている。当初、溶液を用いた畿央大学式味覚測定法を開発したが、その後改良を行い、簡便で保存性に優れ、運搬しやすい味覚測定法を開発しているところである。以前の溶液を用いた畿央大学式味覚測定法と現在開発中の簡便な畿央大学式味覚測定法を官能評価で比較検討を行い、味強度,閾値について概ね同様の結果が得られたことから、同等の有用性があると判断し、今後は新規の畿央式味覚検査法を用いて、対象者を募り実験を行う予定である.実験を効率よく行うために、新規の畿央式味覚測定法の検査キットの作成を担ってくれる企業を現在探しているところである。おいしさの評価は主観的評価に基づく官能評価法が広く用いられているが、個人の主観的な判断によるため、種々の環境因子により影響をうけやすいなどが問題とされてきた.本実験ではおいしさの評価を官能評価に頼らない顔の表情をもとにした客観的な評価方法が確立できれば,上記の問題を解決できるのではないかと考え、AI技術を活用した顔の表情の感情解析を行い、おいしさ・まずさの判定手段となりうる客観的評価法の確立を目指している。既に被験者募集を行い、実験は終了している。各種味溶液を摂取したときの感情項目を数値化し、摂取した溶液のおいしさの評価との分析を行い、顔面表情から嗜好度を予測する計算式を求め、別の被験者に別の刺激を与えたときに生じる顔面表情をこの式に代入した時の予測値と実測値とを比較するなど現在解析中である。幼少期の嗜好学習獲得とその保持に関する研究は、味の刺激の違いによる幼若ラットと成熟ラットとの学習能の相違や、匂刺激を用いずに味刺激のみの実験を行い、種々の味の嗜好性をみることで、幼少期と成人期における味と匂いの学習効果を明らかにする予定で引き続き実験を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新規の畿央式味覚検査法を用いた実験を効率よく実施するために、測定キットを外注できる企業を探しているが、作成条件などの折り合いがつかず難航している。そのため、新規の畿央式味覚検査法を用いた実験は予定よりやや遅れているが、他の実験は順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
味覚の閾値に関する研究では、今後は新規の畿央式味覚検査法を用いて、対象者を募り実験を行う予定である.また、効率よく実験を行うために、測定キットを外注できる企業を引き続き探す予定である。 AI技術を活用した各種味溶液を摂取したときの顔の表情の感情解析は、実験データが揃っていることから、解析を行い、おいしさ・まずさの判定手段となりうる客観的評価法を確立することができれば、論文として投稿する予定である。 幼少期の嗜好学習獲得とその保持に関する研究は、成熟ラットの味刺激の違いによる嗜好性の実験終了次第、幼少期と成熟期との嗜好性の違いを解析し、学会発表及び論文投稿を行いたいと考えている。
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