研究課題/領域番号 |
22K11908
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60010:情報学基礎論関連
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
上田 俊 佐賀大学, 理工学部, 准教授 (40733762)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | メカニズムデザイン / マッチング理論 / ゲーム理論 / マルチエージェントシステム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では,マッチング理論および人工知能技術の知見を用いて,民泊マッチング制度のへ応用を前提とした安定三面マッチング問題の研究に取り組む.マッチング理論は,あるグループの一員を別のグループのひとつに割り当てる制度 (メカニズム) を研究する経済学の理論である.3つのグループ間のマッチングを行う三面マッチング問題は,その応用問題の少なさもあり,理論的な性質の解明が進んでいない.本研究課題では,三面マッチング問題の理論的な性質の解明もしつつ,民泊マッチング制度で実際に稼働するメカニズムの開発を行う.
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研究実績の概要 |
本研究課題では,マッチング理論および人工知能技術の知見を用いて,民泊マッチング制度のへ応用を前提とした安定三面マッチング問題の研究に取り組む.マッチング理論は,あるグループの一員を別のグループのひとつに割り当てる制度(メカニズム) を研究する経済学の理論であり,2012年にノーベル経済学賞を受賞した将来が期待される理論である.近年,マッチング理論で得られたメカニズムを現実問題に適用し,マッチング制度をコンピュータ上で運用するという観点から,人工知能を含む情報科学分野からの研究が盛んに行われている.これは2つのグループ間のマッチングを行う二面マッチング問題では活発に行われているものの,3つのグループ間のマッチングを行う三面マッチング問題では,その応用問題の少なさもあり,理論的な性質の解明も進んでいない.
そのため,2022年度では,本研究課題の初年度として,二面マッチング問題において安定なマッチングを求める一般化保留メカニズムを三面マッチング問題に拡張したメカニズムを設計した.さらに,この拡張一般化受入保留メカニズムを振舞いを分析することで,三面マッチング問題の理論的性質の解明を行った.一般的な数学や物理学の観点からみると,三面マッチング問題は二面マッチング問題の次元が1つ上がった問題ととらえることができる.拡張一般化受入保留メカニズムの分析から,三面マッチング問題は二面マッチング問題において成立したメカニズムを設計する上での良い性質を部分的にしか受け継いでいないことが示された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
そのため,2022年度では,本研究課題の初年度として,二面マッチング問題において安定なマッチングを求める一般化保留メカニズムを三面マッチング問題に拡張したメカニズムを設計した.さらに,この拡張一般化受入保留メカニズムを振舞いを分析することで,三面マッチング問題の理論的性質の解明を行った.拡張一般化受入保留メカニズムの分析から,三面マッチング問題は二面マッチング問題において成立したメカニズムを設計する上での良い性質を部分的にしか受け継いでいないことを明らかにした.
民泊マッチング制度に応用可能なメカニズムの設計に必要な,三面マッチング問題の理論的性質を着実に積み上げており,本研究課題は概ね順調に進展していると考える.
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は,2022年度に得られた結果を元に三面マッチング問題に適用可能な安定なマッチングを求めるメカニズムを実際に設計することを目標とする.また,2024年度に実際に民泊マッチング制度に適用可能とするため,理論と現実問題のギャップがどのように存在するのか明らかにすることを目標とする.
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