研究開始時の研究の概要 |
本研究では逆問題をテーマとする。逆問題は, 結果から原因を推定するタイプの問題であり, 科学技術の多くの場面で現れるだけで無く, 数学的にも重要な問題であるとされる。本研究では, 逆問題の中でも, 特に「何らかのデータから, 空間内の領域の未知形状を推定する逆問題」を扱う。本研究の目的は, 未知形状のベイズ事後確率分布を得るための MCMC アルゴリズムを設計し, その理論的考察を行うことである。MCMC は汎用の方法であるが, しばしば計算量が膨大になる。この計算量を減らすために,「尤度計算の簡素化」と「効率的な提案分布の設計」を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では, ベイズの定理が主要なツールとなる。そのためベイズの定理に関する十分な理解が望ましい。研究代表者は, ベイズの定理に関する理解を深めるために, 尤度の役割に関する考察を行い、その内容を Doob’s consistency of a non-Bayesian updating process というタイトルの論文にまとめた。この論文は、現在投稿中である。
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