研究課題/領域番号 |
22K11920
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60020:数理情報学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
横田 康成 岐阜大学, 工学部, 教授 (00262957)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 片側交互通行 / 工事用信号機 / 信号機最適制御 / 車両認識 / 車両到来確率モデル / 交通制御 / 道路工事 / 信号切り替えロジック / 信号待ち時間 / 交通状況認識 / AI信号機 / 信号機制御 / 最適制御 / 交通状況推定 / 動画像処理 |
研究開始時の研究の概要 |
運転中,信号機により待たされることは仕方ないとしても,不必要に待たされていると感じることはあるはずである.もっと賢く信号機を制御してくれないものかという多くのドライバーの要望に応えるため,工事用臨時信号機による片側交互通行制御を対象に,カメラにより周辺の車両状況を把握し,車間の空き具合や信号待ちをしている車両の量などに応じて,信号機を最適に制御することにより,信号待ち時間を大幅に削減可能な賢い信号制御システムを開発する.
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研究実績の概要 |
片側車線をふさぐ道路工事において片側交互通行となる場合,工事用臨時信号機が利用されることがあるが,通常,事前に設定した周期で信号が切り替わる受動的制御であるため,対向車が来ないにも関わらず赤信号で待たされることも起こる.これにより無用な渋滞を引き起こすこともあり,またドライバーのイライラの原因にもなっている.そこで本研究では,カメラにより周辺の交通状況を把握して工事用信号機の信号切り替えを能動的に制御することにより,無駄に待たされる問題を解消し,渋滞緩和を目指す. 本年度は,カメラにより得た映像の認識がこれまで晴天時のみしか対応できなかったのに対し,深層学習による物体検出手法の一つであるyoloを併用することにより,雨天においても周囲の交通状況を限定的ながらも認識することを可能にした.また,これまでは車両がポアソン到着することを前提に最適な信号機制御ロジックを構築していたのに対し,本年度では,速度の遅い車両や他の平面交差信号機などの存在により車両の塊が存在することを想定した車両到来確率モデルを構築し,これを利用した信号機制御ロジックを構築した. さらに,内閣府「地方大学・地域産業創生交付金」展開枠の事業の一貫として,本研究課題も助成を受けた.その助成金により,試験用に工事用信号機2機(一対)を購入し,実用化を目指して,カメラからの画像処理による周囲の交通状態の認識,それによる信号機制御ロジック,および具体的に購入した工事用信号機を制御するプログラム開発を委託した. さらに,本研究で開発した遠方の車両の追跡手法を,1分子レベルで糖鎖の物性・構造・生合成を解明することを目的とした岐阜大学糖鎖コアとの共同研究において,蛍光分子の追跡に応用した.その成果は,後述するNature Communicationsに論文として発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の実用化を目指して,実際の工事用信号機とカメラを利用したシステムの構築に着手している点は当初の予定以上に進展している.また,以前に出願した本研究の元になる特許も権利化に向けて審査請求中であり,何度か審査官とやり取りしたのち,特許として認められる予定である.さらに,本研究が呼び水となって,内閣府「地方大学・地域産業創生交付金」展開枠の事業の一部に採択され,実用化への後押しとなった.
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今後の研究の推進方策 |
実際の工事用信号機とカメラを利用したシステム構築を外部委託しているが,近々,最初のシステムが完成する予定である.完成したのちは,交通整理を業務としている協力会社の協力の下,実際の道路の工事現場において,実証試験を行う予定である.実証試験の結果,問題点などを明らかにし,更なるシステム,手法の改善につなげる予定である.
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