研究課題/領域番号 |
22K11971
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60050:ソフトウェア関連
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
中村 純哉 豊橋技術科学大学, 情報メディア基盤センター, 准教授 (60739746)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 地理的分散システム / 耐ビザンチン故障 / 動的ネットワーク / レプリケーション / 分散アルゴリズム |
研究開始時の研究の概要 |
BFT状態機械レプリケーション(BFT-SMR)は,状態機械として定義されるサービスに対して,ビザンチン故障という最も強い故障に耐性を持たせるレプリケーション技術である.中でもサービスの複製(レプリカ)を地理的に分散配置するGeographical BFT-SMRは,地震などの大規模災害にも耐えられることから,一時的なサービス停止が許されない重要なサービスで用いられる.本研究課題では,Geographical BFT-SMRについて,(1) レプリケーション中のネットワーク変動を考慮し,(2) ビザンチン故障レプリカの仮定を現実的な観点から見直すことで,レプリケーション性能の向上を目指す.
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研究実績の概要 |
BFT状態機械レプリケーション(BFT-SMR)は,状態機械として定義されるサービスに対してビザンチン故障耐性を実現するレプリケーション技術として知られる.中でもGeographical BFT-SMRは地震や津波などの大規模災害に耐性を持つことから,一時的なサービス停止が許されない重要なサービスで使われることが多い.本研究課題では,Geographical BFT-SMRの性能を低下させる原因となる,(1) レプリケーション中のネットワーク変動,(2) ビザンチン故障レプリカの振る舞い仮定の妥当性について問題解決の方法を探求することを目的とする.
2023年度は,レプリケーション環境のネットワーク特性に着目し,数多くあるSMRプロトコルの中から,レプリケーション環境に適したプロトコルを選定する手法について検討した.2022年度に考案した手法をベースに,見積方法を見直すことで,より高精度に見積もりできるようになった.本成果は,並列/分散/協調処理に関するサマー・ワークショップや情報科学ワークショップにて発表した.2024年度には国際会議でも発表する予定である.また,クラウド環境における長期的なネットワーク変動データを用いて,よく使われるSMRプロトコルがネットワーク変動にどの程度耐性があるかを明らかにした.この成果は,第86回情報処理学会全国大会で報告した.
ネットワーク変動の影響に関する理論的側面を解明するため,動的ネットワークにおけるReliable Broadcast問題の可解性について検討を開始した.Reliable BroadcastはBFT-SMRの基礎となる問題で,動的ネットワークの影響を明らかにすることにより,ネットワーク変動に耐性を備えたBFT-SMRを実現したいと考えている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究課題では,(1) レプリケーション中のネットワーク変動,(2) ビザンチン故障レプリカの振る舞い仮定の妥当性の2つの問題解決を目指している.このうち(1)については順調に検討が進んでいるが,(2)に関する検討が遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は,成果が出始めている(1)について引き続き研究を遂行すると共に,課題(2)について重点的に取り組むことで,遅れを取り戻せるように努める.課題(2)では,ビザンチン故障レプリカに関する仮定のみに当初着目していたが,ネットワークなどその他の構成要素にも対象を拡大して,仮定の影響や妥当性を議論する予定である.
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