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技術的負債の横断的解析・可視化基盤の構築

研究課題

研究課題/領域番号 22K11974
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分60050:ソフトウェア関連
研究機関和歌山大学

研究代表者

大平 雅雄  和歌山大学, システム工学部, 教授 (70379600)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード技術的負債 / Technical Debt / ソフトウェア保守 / レガシーシステム
研究開始時の研究の概要

企業活動のための情報システムの多くはレガシーシステムと呼ばれ,長きに渡る運用保守の過程で実施された幾多の改修により技術的負債が蓄積しており,保守コスト高騰の原因となっている.技術的負債とは,短期的な利益を得るために将来高いコストで返済する必要のある不完全な設計や実装を表すメタファである.技術的負債の返済による保守コストの削減効果を定量的に示した研究がほとんど存在せず,技術的負債の返済に要する費用とその効果を経営層が納得できる形で説明できないという状況が続いている.本研究では,技術的負債を横断的に解析・可視化する計算基盤を構築し,負債返済における費用対効果を定量的に示す環境の提供を目指す.

研究実績の概要

本研究の最終的な目的は,長年の運用保守の過程でシステムに蓄積しDXの阻害要因となっている技術的負債を横断的に解析・可視化するための基盤を構築することである.本研究において「技術的負債の横断的解析・可視化基盤」とは,(1)コスト削減効果を定量的に示しつつ,(2)重畳的に関係し合う技術的負債の蓄積過程を見える化し,(3)返済可能な負債と返済不可能な負債を切り分けるために必要な情報を提示するための計算基盤を指す.これにより,レガシーシステムを全面刷新すべきか,あるいは,部分的改修に留めるべきかを,DX推進の文脈で経営判断するのに必要な定量的エビデンスを提供できる.最終目的を達成するために本研究課題では,以下の段階に分けて研究を実施する.
(研究1)技術的負債の返済による保守コスト削減効果を定量化するモデルを構築すること.(研究2)技術的負債が蓄積されていく過程を俯瞰的に見える化する技術を構築すること.(研究3)返済が必要な領域を切り出すためのトレーサビリティ技術を構築すること.
本年度は(研究2)に取り組んだ.技術的負債が蓄積されていく過程と技術的負債が保守コストに与える影響は,各種数値データの羅列ではなく,経営層が客観的かつ的確に理解できるようにする必要がある.
そのため,(研究2-1)では,蓄積した技術的負債を俯瞰的に捉えられるような可視化手法を構築した.
また,(研究2-2)では,OSSプロジェクトへの適用とともに,企業での実証実験を通じて可視化手法をブラッシュアップした.最終的には構築する解析・可視化基盤をオープンソースとして公開する予定にしている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り研究を実施できたため.

今後の研究の推進方策

昨年度の(研究1)および今年度の(研究2)の成果に基づいて今後は以下の研究に取り組む予定である.

(研究3)返済が必要な領域を切り出すためのトレーサビリティ技術: 課題管理チケット単体で関連性の高い複数の負債を同時に扱っていることは少ない.通常は認識した問題を調査した結果として特定の技術的負債が管理対象となる.そのため,"debt"タグが付与されたチケット間の関係を,(研究3-1)類似度の高いキーワードと負債発生タイミングから負債間の関連性を算出する手法を確立する.また,(研究3-2)負債間の関連性に基づいて最も効率よく負債を返済できるグループの候補を特定する手法を確立する.これにより,返済が必要な領域を複数提示して,部分改修,全面改修,部分的破棄などDX推進の文脈で経営判断するのに必要なエビデンスを提供できる.

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 3件)

  • [雑誌論文] 技術的負債に関連する課題票分類手法の構築2023

    • 著者名/発表者名
      木村 祐太,大平 雅雄
    • 雑誌名

      情報処理学会論文誌

      巻: 64 号: 1 ページ: 2-12

    • DOI

      10.20729/00223403

    • ISSN
      1882-7764
    • 年月日
      2023-01-15
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Automating License Rule Generation to Help Maintain Rule-based OSS License Identification Tools2023

    • 著者名/発表者名
      Higashi Yunosuke, Ohira Masao, Manabe Yuki
    • 雑誌名

      Journal of Information Processing

      巻: 31 号: 0 ページ: 2-12

    • DOI

      10.2197/ipsjjip.31.2

    • ISSN
      1882-6652
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] OSSプロジェクトへのオンボーディング支援のためのGood First Issue自動分類2022

    • 著者名/発表者名
      堀口 日向,大平 雅雄
    • 雑誌名

      コンピュータ ソフトウェア

      巻: 39 号: 4 ページ: 4_31-4_37

    • DOI

      10.11309/jssst.39.4_31

    • ISSN
      0289-6540
    • 年月日
      2022-10-25
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] OSS工学とOSSの保守2024

    • 著者名/発表者名
      大平 雅雄
    • 学会等名
      R5レジリエントクラウド共同講座公開講義イベント「クラウドコンピューティングをけん引するオープンソースソフトウェア」
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] ビルドエラーを引き起こすDockerfileの依存関係の分析2023

    • 著者名/発表者名
      坂本 廉也, 東 裕之輔, 大平 雅雄
    • 学会等名
      ソフトウェア・シンポジウム 2023 in 仙台 (SS2023)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 田口 舞奈, 木村 祐太, 大平 雅雄2023

    • 著者名/発表者名
      技術的負債に関する課題票の単語分散表現を用いたテキスト分類
    • 学会等名
      ソフトウェア・シンポジウム 2023 in 仙台 (SS2023)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 自動生成されたパッチがコーディング規約違反に与える影響の分析2023

    • 著者名/発表者名
      野口 優輝, 木村 祐太, 伊原 彰紀, 大平 雅雄
    • 学会等名
      第30回ソフトウェア工学の基礎ワークショップ in 伊勢志摩(FOSE2023)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] リポジトリマイニングによるIT負債(技術的負債)の検出2023

    • 著者名/発表者名
      大平 雅雄
    • 学会等名
      和歌山情報サービス産業協会第22回若手研究者研究成果発表会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Dockerfileの依存関係とビルドエラーの関係分析2022

    • 著者名/発表者名
      坂本 廉也, 東 裕之輔, 大平 雅雄
    • 学会等名
      日本ソフトウェア科学会第29回ソフトウェア工学の基礎ワークショップ (FOSE2022)
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 技術的負債に関する課題票の分類モデルに単語分散表現が与える影響の分析2022

    • 著者名/発表者名
      田口 舞奈, 木村 祐太, 大平 雅雄
    • 学会等名
      日本ソフトウェア科学会第29回ソフトウェア工学の基礎ワークショップ (FOSE2022)
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 技術的負債に関連する課題票分類手法の構築2022

    • 著者名/発表者名
      大平 雅雄
    • 学会等名
      ソフトウェア・メインテナンス研究会主催SERCフォーラム
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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