研究課題/領域番号 |
22K11977
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60050:ソフトウェア関連
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
光来 健一 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (60372463)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 仮想化 / コンテナ / マイグレーション / 仮想マシン / クラウド / 高負荷 / 負荷分散 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、クラウドがコンテナを仮想マシン(VM)内で動作させることが多いことに着目し、VMの外側からコンテナの状態を保存・復元できるようにする。それにより、他のコンテナへの影響を抑えつつ、迅速にコンテナのマイグレーションを行うことができるようになる。そのために、(1) VM外でのプロセスマイグレーション、(2) VM外でのコンテナマイグレーション、(3) VM外へのコンテナ管理インタフェースの提供、という3つの課題に取り組む。
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研究実績の概要 |
今年度は、VM外でのプロセスマイグレーション(課題(1))とVM外でのコンテナマイグレーション(課題(2))に加えて、VM外へのコンテナ管理インタフェースの提供(課題(3))にも取り組んだ。 課題(1)については、VMの外側でプロセスのすべての状態を保存できるようにした。メモリ情報として、昨年度、保存できるようにしたプロセスの仮想メモリ領域の情報とメモリデータに加えて、メモリのレイアウト情報なども取得できるようにした。ファイル情報としてプロセスがオープンしているファイルの情報を取得できるようにし、ファイルの種類ごとに詳細な情報を保存できるようにした。スレッド情報としてレジスタの値を取得できるようにし、時刻情報として後戻りしない時刻と起動してからの時間を取得できるようにした。 また、VMの外からプロセスの状態を復元できるようにした。プロセスのメモリデータとファイルシステムの情報についてはVMのメモリを書き換えるだけで復元できるようにした。メモリの書き換えだけでは復元できない状態があることが判明したため、VM内で復元支援機構を動作させることによりVM外の復元機構と協調してすべての状態の復元を行えるようにした。その上で、プロセスの状態の保存と復元にかかる時間を測定した。 課題(2)については、コンテナを作成する際に用いられる、プロセスのグループに対してリソースの割り当てや制限を行う機構の状態を保存できるようにした。また、コンテナ内での形成されるプロセス木の情報も保存できるようにした。一方、コンテナ特有の状態の復元についてはVM内の復元支援機構を呼び出すことで実現した。 課題(3)については、VMの仮想ディスクのファイルシステムを解析することにより、ディスクに格納されたコンテナの設定ファイルからコンテナのIDや名前などを取得できるようにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の計画通り、課題(1)についてはプロセスのマイグレーションを行えるようになった。課題(2)についてはコンテナの状態を保存し、VM内の復元支援機構と協調することで復元も行えるようになった。課題(3)についてはコンテナの情報をVM外から取得できるようになった。
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今後の研究の推進方策 |
課題(1)については、プロセスのマイグレーション時間を測定し、提案システムによる性能向上を評価する。そのために、VMに様々な負荷をかけた状態でマイグレーションを行う。また、VMに割り当てるリソース量を変えた時の影響についても調べる。 課題(2)については、できるだけVM内の復元支援機構を用いずにコンテナの復元を行えるように実装を改善し、性能を評価する。現在の実装ではメモリの書き換えのみで復元できる状態のみに限定されているが、デバイスエミュレータの状態を書き換えることで復元できるコンテナの状態がないか検討する。 課題(3)については、VM外からコンテナの管理を行えるようにする。マイグレーションに必要なコンテナの状態保存、保存した状態の転送、状態復元に加えて、必要な管理コマンドがあれば実装を行う。
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