研究課題/領域番号 |
22K11983
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60050:ソフトウェア関連
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
横山 哲郎 南山大学, 理工学部, 教授 (80456631)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 可逆計算 / クリーン可逆プログラミング / 可逆化 / 単射化 / 可逆プログラミング言語 / 可逆アルゴリズム / 可逆ソフトウェア / Janus / 可逆プログラミング / ゴミデータ / 文字列照合アルゴリズム / Rabin-Karpアルゴリズム / g-minimality |
研究開始時の研究の概要 |
次の「問い」を補助事業期間全体を通じて肯定的に解決していく。RQ 与えられた関係Rを計算するゴミ出力が最小で効率的な可逆化ができるか; RQ1 Rが任意の全域関数のとき、可逆化できその効率的な構成法を示せるか; RQ2 Rが任意の部分関数のとき、可逆化できその効率的な構成法を示せるか(RQ1を含む); RQ3 Rが特定の問題領域の部分関数のとき、可逆化できその効率的な構成法を示せるか; RQ4 これらの成果を可逆プログラムで記述できるか。 研究成果は、可逆回路の設計、双方向変換、投機的実行の逆計算、及び量子計算などの隣接分野における応用や異なる視点からの解釈が期待できる。
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研究実績の概要 |
本年度の研究では、可逆プログラミング言語から見た可逆計算の原理と主要な考え方を探求し、実用的な可逆アルゴリズムの系統的な設計を視野に入れた。可逆ハードウェアの利点を生かし得るソフトウェア構築の基材として、また独立した研究対象として、クリーンな可逆言語に焦点を当てた。可逆計算を一般的なプログラミング言語理論において研究対象とし、計算可能性、単射化、可逆化などの関連概念を詳細に検討した。多くの可逆言語に共通する特徴である可逆更新、可逆繰返し、プログラムの逆意味論へのアクセスなどの考え方を整理した。特に、プログラムの逆変換と逆解釈を含む可逆プログラミングに特有のメタプログラミング手法を探究した。主に可逆言語Janusを例にしたが、こうした成果は特定の言語に依存しないものである。 こうした成果により、可逆プログラミングと可逆計算の理論における新たな視点を提供することができた。また、前年度における可逆化の方法論の構築と特定問題領域への系統的適用に関する研究成果に基づき、今後に可逆アルゴリズムの開発につながるために、本年度はプログラミング言語論の視点から可逆計算を深化させることに重点を置いた。 今後の研究では、可逆プログラミング言語の設計と実装において、より効率的かつ実用的な可逆化手法の開発に取り組むとともに、可逆計算の応用範囲を広げることを目指す。このような研究活動は、可逆計算の基本原理を理解し、より広範な問題解決に応用するための基盤を強化することに寄与する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
年度初めに立てた研究計画に基づき、可逆プログラミング言語から見た可逆計算の基本原理と主要な考え方の探求を含む複数の研究課題について順調に進展している。特に、可逆計算における新たな理論的アプローチの提案について予定していた研究成果を得ることができ、実用的な可逆アルゴリズムの開発につなげられるような萌芽的結果を得た。 研究課題に対する意見交換を国内外の研究者と行うことで、研究の質の向上とスムーズな進展を実現している。また、必要な研究資料やリソースへのアクセスが計画通り進んでおり、研究活動を支障なく進めることができている。 研究成果を学術雑誌で発表し、可逆プログラミングと可逆計算の理論において新たな視点を提供することを試みた。この発表を通じて、国内外の研究者からのフィードバックを得ることができ、研究内容の深化につながった。 今後も計画に沿った研究活動の継続と、新たな研究成果の創出に向けて努力を続ける。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画した研究課題の中で、次の2点については今年度に一定の結果が得られたものであり、引き続き個々のアルゴリズムを対象として検討を進める。(1)実用的な可逆アルゴリズムの開発。具体的には、既存の非可逆アルゴリズムを可逆計算の原理に基づいて再設計し、その効率化と応用範囲の拡大を図る。(2)可逆プログラミング言語の機能拡張と最適化。現在使用している可逆言語の機能や性能を向上させることで、より複雑な問題解決を容易にする。長期的な目標としては、アルゴリズム理論の深化を図ることにある。アルゴリズム設計では、可逆性が一つの制約条件となるが、この制約をどのように克服し、効率的な可逆化を実現できるかを明らかにすることを目指す。また、国内外の研究機関や研究者との連携を強化する。共同研究や情報交換を通じて、最新の研究動向を取り入れ、研究の質をさらに高める。さらに、研究成果の積極的な発信を行う。可逆計算の重要性とその応用可能性を広く伝える。
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