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仮名広告を用いた顔見知り端末の自動認識技術の研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K11993
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分60060:情報ネットワーク関連
研究機関広島大学

研究代表者

北須賀 輝明  広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (70343332)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワードモバイル通信 / 顔見知りの認識 / プライバシー / 接触履歴 / 秘匿共通集合計算 / 相互認証 / 署名 / 無線通信 / 認証 / 仮名
研究開始時の研究の概要

本研究は,スマートフォンなどの携行されるモバイル端末が常時仮名を周辺端末に広告することをもとに,繰り返し接触する端末を顔見知り端末として認識するプロトコルを設計する.サーバのない分散処理で認識する.SNSなどのインターネットサービスを通じた知り合いとは異なり,実世界での接触がある人同士の関係を認識する基盤技術を開発する.広告する仮名を日時に応じて変動させることから,顔見知り以外からは追跡困難である.一方,顔見知り同士は仮名に添えた署名によって,顔見知りとの再会を認識する.

研究実績の概要

本研究は,スマートフォンなどの携行されるモバイル端末が常時仮名を周辺端末に広告することをもとに,繰り返し接触する端末を顔見知り端末として認識するプロトコルを設計するものである.本年度はプライバシーを保護しつつ顔見知り端末を認識する方法を提案し,顔見知り端末間での相互認証の技術検討を行った.
顔見知り端末を認識する方法には秘匿共通集合計算を用いる.各端末は時間変動するBluetooth等の近距離無線通信技術を用いて仮名を広告し,周辺端末の仮名を常時記録することで接触履歴とすることを想定する.この想定はCOVID-19接触確認アプリ(日本ではCOCOA)で使われたExposure Notification APIと同等のものであり,個人の特定および個人の移動追跡が困難と考えられている.提案する認識方法では,過去1ヶ月などの接触履歴を突合し,相手の接触履歴中に自身の仮名が含まれていることを確認することで過去に接触していた端末,つまり顔見知り端末であると認識する.接触履歴の突合は接触履歴中の仮名の集合の共通集合を求める処理によって行う.この処理の際に秘匿共通集合計算を用いることで,自身の接触履歴の情報がほとんど相手に漏洩しない.相手に漏れる情報は,相手の履歴と自身の履歴の両方に含まれる仮名および自身の履歴中に含まれる仮名の総数だけである.今後は,顔見知り端末を認識する方法の前後の安全性について弱点があるため,それらについて検討する.既知の弱点として,接触履歴の漏洩と他人の仮名の代理広告が挙げられる.
顔見知り端末間での相互認証の技術検討として,TOTP: Time-Based One-Time Password Algorithmを用いた相互認証アプリケーションを試作した.顔見知り端末と初めて認識した際に共通鍵Kを交換し,その後の接触ではこの鍵Kを使って相互認証する.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

予定していたほど研究成果の発表に至っていない.

今後の研究の推進方策

「研究実績の概要」で述べた顔見知り端末を認識する方法の前後の安全性の弱点については次のように対応することを検討する.
接触履歴の漏洩については仮名の工夫によって一部を解決する.広告する仮名を署名用の公開鍵にすることで,仮名の所有権を確認できる仕組みを導入する.これにより仮名が漏洩したとしてもその仮名を広告した本人であることを主張することができなくなる.仮名は時事刻々変化させることでプライバシを保護していることに留意し,仮名を鍵にする際の処理を軽くする工夫が重要になると思われる.なお,この仮名の工夫は,は接触履歴と署名用秘密鍵をまとめて横流しするような不正に対しては無力である.
他人の仮名の代理広告についてはOpenIDなどの個人認証基盤との連携によって解決できるものと考えている.
顔見知り端末認識後のアプリケーションとして,顔見知り端末間でファイルを共有するアプリケーションを作成する予定である.このアプリケーションはスマートフォンやPCで動作するものとする.WebRTCを用いた試作アプリケーションを作成しており,これとの融合を図る予定である.

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (7件) (うち国際学会 3件)

  • [学会発表] BLE接触履歴とプライバシ保護を備えた新たな友人の発見方法2023

    • 著者名/発表者名
      村越 允, 北須賀 輝明, 中西 透
    • 学会等名
      情報処理学会研究報告, vol.2023-HCI-205 および vol.2023-UBI-80, no.36 (兵庫にて)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 近くにいる知人との相互認証ファイル共有アプリケーション2023

    • 著者名/発表者名
      立川 大雅, 北須賀 輝明, 中西 透
    • 学会等名
      情報処理学会研究報告, vol.2023-HCI-205 および vol.2023-UBI-80, no.37 (兵庫にて)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] A Serverless Signaling Scheme for WebRTC Using Bluetooth LE2023

    • 著者名/発表者名
      Takuto Hashibe, Makoto Murakoshi, Teruaki Kitasuka, and Toru Nakanishi
    • 学会等名
      2023 Eleventh International Symposium on Computing and Networking Workshops (CANDARW), WANC'23 (in Matsue, Japan)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] A File Sharing Method Using a Delay Tolerant Network in Daily Life2022

    • 著者名/発表者名
      Makoto Murakoshi, Teruaki Kitasuka, Toru Nakanishi
    • 学会等名
      IEEE TENCON 2022
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] A Method for Selecting Relay Nodes in Delay Tolerant Network Routing Using Periodicity2022

    • 著者名/発表者名
      Taiga Tatsukawa, Teruaki Kitasuka, Katsunobu Imai
    • 学会等名
      IEEE TENCON 2022
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 対面コミュニケーションの機会創出を目的とした Slack アプリの実装2022

    • 著者名/発表者名
      谷野 海飛, 北須賀 輝明, 中西 透
    • 学会等名
      情報処理学会グループウェアとネットワークサービス30周年記念シンポジウム&ワークショップ2022
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] OpenPGP 標準における署名の匿名化2022

    • 著者名/発表者名
      水代 拓也, 北須賀 輝明, 今井 勝喜
    • 学会等名
      情報処理学会第99回CSEC・第49回SPT・第98回EIP合同研究発表会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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