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Federated Learningを用いたIoT向け自律分散クラスタリング技術

研究課題

研究課題/領域番号 22K11996
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分60060:情報ネットワーク関連
研究機関広島市立大学

研究代表者

大田 知行  広島市立大学, 情報科学研究科, 教授 (90347617)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワード無線マルチホップネットワーク / Federated Learning / 自律分散クラスタリング / IoT
研究開始時の研究の概要

IoTシステムにおける安定的なサービス提供のためには,端末が持つセンシング情報や周辺の端末との情報交換により得られる情報を活用することにより,高効率,かつ,高信頼な端末間通信方式が必要である.本研究では,ユーザの持つ端末のセンシング情報から得られる位置情報や移動速度,周辺の端末密度,消費電力量などを考慮した通信制御とユーザのプライバシー情報の保護を実現するために,Federated Learningを用いた自律分散クラスタリング技術を開発する.

研究実績の概要

災害発生時には,迅速な避難のため,災害状況を正確に把握する必要がある.しかし,災害時には通信トラヒックの増加などの要因により既存の通信インフラが正常に機能しなくなる状況下における有効な情報共有の手段として,無線マルチホップネットワークであるモバイル端末間の無線通信のみで構築されるMobile Ad hoc NETwork(MANET) がある.本研究では,地理情報をもとに避難者に対して避難所までの経路を提供する災害時避難支援システムにおいて,自律分散クラスタリングによるMANET 通信とモバイル通信を併用した情報共有手法を提案してきた.提案手法では,ユーザ間で自律分散クラスタリングによってクラスタを構築し,各クラスタのクラスタヘッドがクラスタ内のユーザから情報を収集したのち,その情報をモバイル通信を用いてクラスタヘッド間で共有する.このように,モバイル通信を行う端末をクラスタヘッドに限定することによって,基地局における通信トラヒック量を削減する.
ネットワークシミュレータでは,地理情報を利用し,災害等を想定したシナリオに基づいたイベントを発生させることにより,フィールド内の移動経路等の状況を変化させる.各端末は収集した情報に基づき,移動経路の混雑度や危険度に応じた移動先の変更や移動経路の変更をする.このようなフィールドの状況と端末の動きを変化させる機能をネットワークシミュレータへ実装することにより,提案手法を評価してきた.
しかしながら,MANET通信では,クラスタ内のユーザがクラスタヘッドへ送信する情報量が増えた場合,その情報を完全にクラスタヘッドへ到達させることは容易ではない.このような状況では,TCPを効果的に動作させることは困難である.クラスタ内の通信において,データ到達を保証する制御方式を実装することで,提案手法の有効性を高めてきた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

無線マルチホップネットワークにおいてFederated Learningを実行するために,各端末の情報を自律分散クラスタリング技術により選出されたクラスタヘッドに確実に届けるためのデータ転送時間を考慮したネットワーク制御方式についての検討を行い,シミュレーションによる評価を行ってきた.しかしながら,Federated Learningを用いた自律分散クラスタリング技術の設計と評価については,十分に設計が完了しておらず,シミュレーションによる評価まで至っていないため,研究状況の進捗がやや遅れているとの判断とする.

今後の研究の推進方策

Federated Learningを用いた自律分散クラスタリング技術の設計を急ぎ進めていく.ユーザの持つ端末から,移動速度,位置情報,近接ユーザ数,ユーザ密度,通信の優先制御,情報交換の間隔,端末の残存電力等のセンシング情報や近隣端末との情報交換により得られる情報を分析する.ネットワーク資源利用の効率化と通信経路の高信頼化を実現するために,FLを用いたクラスタヘッドの選択,及び,クラスタサイズの決定,クラスタの構成・維持手法を引き続き検討する.さらに,収集する情報が不足するとFederated Learningの性能を下げることになる.特に,各端末とクラスタヘッド間の確実な情報交換を実現するために,自律分散クラスタリングにおける通信の優先制御方式について検討し,評価を行う.

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] An Evacuation System Using Autonomous Clustering-Based MANET for Sharing Disaster Information2022

    • 著者名/発表者名
      Yuki Matsunaga and Tomoyuki Ohta
    • 雑誌名

      Proc. 2022 Tenth International Symposium on Computing and Networking Workshops (CANDARW)

      巻: 10 ページ: 26-32

    • DOI

      10.1109/candarw57323.2022.00047

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 避難支援のためのセンシング情報に基づく避難経路選択機能の開発2024

    • 著者名/発表者名
      辻若菜,大田知行
    • 学会等名
      電子情報通信学会 安全・安心な生活とICT研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 動的コンボイ形成手法による運転者の負荷軽減に関する実験的評価2023

    • 著者名/発表者名
      光平昂矢,井上伸二,大田知行
    • 学会等名
      2023年電子情報通信学会通信ソサイエティ大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] MANETを用いた避難支援システムのための評価フレームワークの設計2023

    • 著者名/発表者名
      桑田凌,大田知行
    • 学会等名
      2023年電子情報通信学会通信ソサイエティ大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] MANETを用いた避難支援システムのための可視化フレームワークの開発2023

    • 著者名/発表者名
      桑田凌,大田知行
    • 学会等名
      電子情報通信学会安全・安心な生活とICT研究会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 無線マルチホップネットワークを用いた避難支援システムにおける情報共有方式の検討2022

    • 著者名/発表者名
      藤中宥成,大田知行
    • 学会等名
      電子情報通信学会安全・安心な生活とICT研究会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 無線ネットワーク環境における避難支援システムのための自律分散クラスタリングを利用した情報共有方式の検討2022

    • 著者名/発表者名
      松永裕貴,大田知行
    • 学会等名
      電子情報通信学会センサネットワークとモバイルインテリジェンス研究会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 自律分散クラスタリングを用いた避難支援システムにおける避難時間と避難経路に関する実験的評価2022

    • 著者名/発表者名
      松永裕貴,大田知行
    • 学会等名
      2022 年電子情報通信学会通信ソサイエティ大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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