研究課題/領域番号 |
22K12016
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60060:情報ネットワーク関連
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
小川 将克 上智大学, 理工学部, 教授 (90624411)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 無線LAN / チャネル状態情報 / 移動物体 / 位置推定 / 無線センシング / コンピュータビジョン / 機械学習 |
研究開始時の研究の概要 |
無線通信を活用した新たな用途として,人や物がセンサーの装着を不要とするデバイスレスの無線センシングへの注目が高まっている.本研究で取り扱う無線センシングでは,家庭やオフィスなどに導入された無線LANの活用を想定しており,送受信アンテナ間のマルチパス伝搬状態を表すチャネル状態情報により人の行動分析などを行える.チャネル状態情報は,部屋のサイズなどの環境に依存するため,環境ごとにチャネル状態情報を事前に測定して,学習する必要がある.チャネル状態情報の測定データとコンピュータビジョンによる画像認識結果を融合させ,人の行動分類を自動認識して,チャネル状態情報を自動的に事前学習することが目的である.
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研究実績の概要 |
2022年度は,初年度のため,カメラとチャネル状態情報(CSI: Channel State Information)の連携についての初期検討を実施した. (i)移動物体の通過区間では,カメラを用いた通過区間とCSIから得られる通過区間の差異について明らかにした.CSIのみによる通過区間の識別では,時間区間の電波伝搬の変動を利用しているため,その時間区間に依存して,カメラで判定される通過区間との差異が生じる.移動物体の移動速度が高速になるほど,この時間区間が長くなるため,カメラで判定される通過区間との差異が大きくなる.今後は,CSIのみによる通過区間とカメラで判定される通過区間の差異を小さくする必要がある. (ii)RGB-Dカメラによる人物推定による位置が得られるため,CSIとカメラ画像を用いた人物位置により学習することで,CSIのみで人の位置を推定した.ここで,カメラは一時的に利用することを想定している.回帰分析アルゴリズムとして,ロジスティック回帰モデル,決定木回帰モデル,ニューラルネットワーク回帰モデルによる精度の違いを比較し,ニューラルネットワーク回帰モデルは,二次元の推定が可能であるために最も推定精度が高いことを明らかにした.なお,カメラ画像を用いた人物位置では,既存技術を用いて人検出をした際のバウンディングボックスの中心を人の位置とした.バウンディングボックスのサイズは,カメラに対する人の向きやカメラからの距離に依存するため,カメラ画像による人物位置そのものに外れ値が含まれることがある.今後は,カメラではなくLiDARなどを用いることや,人流に着目して移動軌跡から推定精度を向上させる必要がある.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
カメラとCSI(Channel State Information)の連携に関わる基礎検討を実施でき,課題が明らかになったため.
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今後の研究の推進方策 |
カメラによる物体検出では,物体検出アルゴリズムの誤差が生じるため,LiDARなどによる高精度な計測結果とCSI(Channel State Information)の連携を試みる. また,移動物体の通過区間の識別をCSIのみで行えるアルゴリズムについて検討する.
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