研究課題/領域番号 |
22K12019
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60060:情報ネットワーク関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
中里 秀則 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30329156)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 情報指向ネットワーク / IPFS / ピア・ツー・ピア / ICN / 経路探索 / 分散ハッシュテーブル / Kademlia |
研究開始時の研究の概要 |
情報指向ネットワークでは、コンテンツ取得を容易にするとともに、セキュリティの向上、ネットワークやサーバの負荷軽減が期待されている。情報指向ネットワークではコンテンツの名前に基づき情報の転送を行うが、コンテンツの数は、サーバの数の100万倍も多いといわれており、情報を転送する宛先への経路をどのように探索するかが大きな課題である。そこで、本研究では、分散ハッシュテーブルという技術を用いてコンテンツの探索を行うとともに、その技術を用いて探索する上で必要となる探索時間を短縮して高速化するために、探索自体で情報のやり取りをする物理経路を短縮する方法についても検討を加える。
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研究実績の概要 |
情報指向ネットワーク (ICN) ではコンテンツの名前に基づき情報の転送を行うが、コンテンツの数は、サーバの数の100万倍も多いといわれており、情報を転送する宛先への経路をどのように探索するかが大きな課題である。そこで、本研究では、分散ハッシュテーブル (DHT) という技術を用いてコンテンツへの経路探索を行うとともに、その技術を用いて探索する上で必要となる探索時間を短縮して高速化するために、探索自体で情報のやり取りをする物理経路を短縮する方法についても検討を加える。 まず、DHTをICNの経路探索に単純に適用する場合について評価を行った。具体的にはICNの実装の一つであるNamed Data Networking (NDN) を用いて、元々のNDNのパケット転送の仕組みとKademliaというDHTを組み合わせた場合の経路設定の効率性について評価を行った。NDNにおけるコンテンツをルータに一時記憶する仕組みを利用することによって、より短い経路でコンテンツを取得できることを示すことができた。 DHTを用いたコンテンツへの探索における論理隣接ノード間の物理経路を短縮するためのノード最適配置の方法として、物理的に近くに配置すべきKademlia tree 上のノードが、そのノードと異なるsubtreeに属するノードであることを特定し、また Kademlia treeのよりleafに近いsubtreeに属するノードを優先的に当該ノードの近傍に配置するのが有効であることも明確にすることができた。このことを元に、今のところ特定のトポロジをもったネットワークについてのみではあるが、論理ノードの配置手法を提案し、現在評価を行っているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究開発では、まず最初に、Kademlia tree の論理トポロジ上のノードを物理トポロジに配置する上での最適化について検討することとしていた。 研究実績の概要で記述した通り、論理ノードの配置の良さを評価する方法について定式化を完了し、また現在のところ特定のネットワークトポロジについてのみであるが、理論的に興味深いと思われる配置アルゴリズムを提案し、評価を進めている段階である。本研究開発における主要な成果の骨格部分ができあがってきていると思われ、順調な進展であると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
現在行っている配置アルゴリズムの評価をまず完了する。その後、より一般的なネットワークトポロジに適応する配置アルゴリズムを検討する。 ここまでは、集中制御の論理ノード配置アルゴリズムの検討であるが、集中制御アルゴリズムの検討終了後は、配置アルゴリズムの分散化、すなわち各ノードで情報の交換をし、最適な論理ノードに自ら設定するアルゴリズムについて検討する。評価式を用いた配置アルゴリズムが完成すれば、アルゴリズムの分散化はそれほど難しくないと見積もっている。本研究2年度目では、アルゴリズムの分散化とそれに伴う情報交換プロトコルの完成を目指す。
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