研究課題/領域番号 |
22K12027
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60070:情報セキュリティ関連
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
中西 透 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (50304332)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | プライバシー保護 / 認証 / ブロックチェーン / プライバシー / 匿名認証 |
研究開始時の研究の概要 |
オープンに情報管理するブロックチェーンでは,ユーザのプライバシー保護が問題となるため,匿名認証技術が近年盛んに研究されている.本研究では,パーミッションド型ブロックチェーンおよびパーミションレス型ブロックチェーンそれぞれに対応した匿名認証を実現するために,それらの実用化に際して必要となる機能をもつ効率的な方式を提案し,実装によりその実用性を評価する. さらに,そのベースとなる匿名認証技術やゼロ知識証明技術の検討も行う.
|
研究実績の概要 |
ブロックチェーンでは,オープンに情報にアクセスできるため,ユーザのプライバシー保護が問題となる.そこで,IDを秘匿しながら正規ユーザかを確認できる 匿名認証技術が近年盛んに研究されている.ブロックチェーンは,パーミッションレス型とパーミッションド型に分かれる.パーミッションレス型では,参加ノードがオープンであり誰でもが参加できる.一方,パーミッションド型では,参加者が許可された者のみに限定される.本研究では,パーミッションド型ブロックチェーンに対応した匿名認証方式に対して,その実用化において必要となるユーザ失効法を実現する.また,パーミッションレス型ブロックチェーンに対応した効率的なブラックリスト型失効法,および匿名ユーザの信頼性が計測可能な匿名評価システムに対して効率化した方式を提案する.さらに,ブロックチェーンにおける匿名認証の応用についても検討する. 本年度は,パーミッションレス型において,ユーザ数に対してlogオーダーの署名サイズとなるDualRingと呼ばれるリング署名をベースとしてブラックリスト型失効を実現した匿名認証方式について,安全性の定式化および安全性証明を行なった.また,匿名評価システムに対しても,信頼できる公開パラメータ生成を必要としない方式について,DualRingをベースとすることによりlogオーダーの認証データサイズとなる方式の構築を行ない,プロトタイプ実装による評価を行った. 匿名認証の応用として,有向グラフに対する署名を効率的にゼロ知識する方式を構築して,プロトタイプ実装により大規模なグラフにも対応できることを示した.さらに,発行者名を秘匿可能な匿名認証方式に対して,発行者の属性情報を認証できる手法や効率的な失効法も構築した.これら方式は,パーミッションド型における属性ベース匿名認証への応用が検討できる.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
パーミッションレス型匿名認証に対するブラックリスト型失効法については,方式の構築,効率評価に加えて,安全性の定式化と証明まで行なっており,その論文がIEICE英文論文誌(A)に採録されている. また,匿名評価システムについても,DualRingをベースとして効率化を行っており,その性能がプロトタイプ実装により確認できている. さらに,ブロックチェーンにおける匿名認証の応用についても,新しい属性ベース方式の構築ができている. 以上のことから,順調に研究が進行しているといえる.
|
今後の研究の推進方策 |
パーミッションレス型匿名認証について,信頼できる公開パラメータ生成を必要としない方式の検討を進めるとともに,それを発展させて,パーミッションレス型での属性ベースの匿名認証をDualRingをベースとして効率化した方式の検討を進めたい. これらの実装評価とともに,零知識証明などの要素技術や属性ベース匿名認証への応用も含めて最新研究をレビューし,比較検討も進めていきたい.
|