研究課題/領域番号 |
22K12040
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60080:データベース関連
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
青野 雅樹 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 特任教授 (00372540)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | CT画像 / 狭窄 / 深層学習 / 冠動脈 / 心臓CT画像 / マルチラベル / 石灰化 / 注釈 / 罹患 / 物体検出 / 画像診断 |
研究開始時の研究の概要 |
CT画像群に対する3D情報を用いた罹患の有無・部位推定技術と注釈付与技術の研究を行う。医師やCT画像の専門技師にとって、診断に時間と経験を要する高度な診断医療(特に心臓内の血管の狭窄)に対して、罹患の有無、罹患の部位推定、ならびに自動注釈付与を的確に行える技術は挑戦的ではあるが喫緊の課題として切望されており、これらの先進的な技術開発を目指す。
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研究実績の概要 |
心臓の冠動脈における狭窄の有無を自動判定する技術を開発し、医師や技師を支援することを目的とした研究である。狭窄の判断は目下、熟練した放射線技師が手作業で行っており、自動診断が切望されていることが研究背景にある。
入力データとして、「単純CT画像」(造影剤を使わないCT画像群)と「造影CT画像」(造影剤を使い冠動脈が可視化されたCT画像群)に加えて、「MPR(Multi-Planar Reformatting)合成画像」の3種類の入力データを準備し、冠動脈狭窄推定技術の高度化を目指した。具体的には3種類の主要冠動脈(RCA、LAD、LCX)のうち、どこに狭窄が発生しているかのマルチラベル・マルチクラス問題に加え、どのくらいの深刻な狭窄かの量的な推定を行った。前者に関しては、1年目に石灰化のある狭窄患者のデータだけで狭窄推定していたのに対して、石灰化がないが冠動脈に狭窄のある、より難しいデータを用いた狭窄推定問題に挑戦し、F1値で8割程度の成果を達成した。後者の狭窄の深刻度推定に関しては、共同研究先に、冠動脈のQCA (Quantitative Coronary Angiography)値を計算してもらい、これを数的目標として深刻度予測を行った。2年目の大きな研究成果は、CT画像群からの独自のQCA予測技術を開発したことである。予測手法として2つの手法を開発した。ひとつはMPR合成画像から、2DのDNNを用いたQCA値予測手法で、もう1つは3D情報を用いたQCA値予測である。3D情報を用いたQCA予測技術に関しては、特許出願(特願2023-189649)を果たした。この研究成果は、代表者が第一筆者で執筆し、ACMの国際会議で投稿・採択され、令和6年3月に口頭発表を行った。
医療画像の注釈付与に関しては対照学習手法での注釈付与技術を開発し国際会議で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者が知る限り、他にない心臓のCT画像群から、心臓の冠動脈に生じる狭窄判定のための深層学習法を開発できたことが1つの理由である。また、単に狭窄があるかどうかだけでなく、狭窄の深刻度の推定技術を開発できたことである。特に、狭窄の深刻度予測では、大きく分けて2種類の手法、すなわち2Dの深層学習手法と3Dの深層学習手法(こちらは特許出願)を開発できたことが理由である。
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今後の研究の推進方策 |
AIによる心臓冠動脈の狭窄をCT画像群から判定しようという前例のない取り組みを続けているが、狭窄の位置推定技術に関しては、4段階の粒度があると考えている。 1段階目は1年目に達成した、「狭窄がどこかの冠動脈にそもそもあるかどうかの推定」、2段階目は1年目にはじめ、2年目も継続している「狭窄の発生している具体的な冠動脈(RCA, LAD, LCX,およびLMT)の(マルチラベル・マルチクラス問題としての)推定」、3段階目は次年度の主要テーマとしたいもので、「狭窄の発生している冠動脈のセグメント推定」である。 セグメントは具体的には、RCAが1,2,3番の3つのセグメント、LMTが5番のセグメント、LADが6,7,8番の3つのセグメント、LCXが11,13,14番のセグメント番号を有する。つまり、冠動脈よりも、より詳細な位置推定の段階を目指す。4段階目もできれば最終年度に挑戦したい。4段階目はCT画像群から狭窄の発生しているCTスライスを抜き出し、その2Dスライス画像中に、狭窄箇所をマーキングする位置推定である。 ただし、3段階目と4段階目の正解データはまだないので、正解となるアノテーションデータを整備してから行うこととなる。
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