研究課題/領域番号 |
22K12041
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60080:データベース関連
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
若宮 翔子 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (60727220)
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研究分担者 |
劉 康明 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 特任助教 (90908138)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ソーシャルメディア / ソーシャル・コンピューティング / Web検索クエリ / パンデミック / 感情分析 |
研究開始時の研究の概要 |
ソーシャルメディアやWeb上に不確かな情報や誤情報を含む大量の情報が拡散され,現実社会にも影響を及ぼす現象(インフォデミック)が,新型コロナウイルスのパンデミックにより広く認知されるようになり,大きな社会問題になっている.この背景の一つとして,情報の発信者かつ消費者である人々が抱える不安,不満や願望などの心理的要因が大きく影響していると考えられる.本研究では,こうした人々に内在する不安や不満といった感情や未完遂の行動への願望を人々の<思い>をソーシャルメディアへの投稿や検索クエリなどのWeb上のビッグデータをもとに指標化して可視化する.
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研究実績の概要 |
本研究では,人々が新型コロナウイルスのパンデミックに起因して抱えている不安,不満や未完遂の行動への願望などの<思い>を,大規模かつ継続的にモニタリングするために,Twitter などのソーシャルメディアへの投稿やWeb検索で用いられるキーワード(検索クエリ)のようなWeb上のビッグデータを用いて,人々の<思い>を指標化し,可視化することを目的としている.コロナ禍に起因する人間の<思い>を大規模かつ緻密に収集するためには,感情分析に加え,テキスト中に記された行動が実際に起こったかどうかといった言語学におけるモダリティの真偽判断を行うとともに,<思い>のコンテキスト(時空間やユーザ属性など)を判定することが重要となる. 本年度(2022年度)は,主に以下の2つの研究項目に取り組んだ. 研究項目1.「感情分析とモダリティ解析による<思い>の抽出」では,Twitterのツイートを用いて,コロナのワクチンに対する人々の感情を読み手と書き手に分けて分析を行なった. 研究項目2.「コンテキスト解析による<思い>の測定」では,ソーシャルメディアのRedditにおける指定難病である嚢胞性線維症コミュニティのコメントを用いて,コロナ禍前とコロナ禍中における患者の経験や懸念を分析した.また,ワクチンの副反応やワクチンの接種予約に関する検索クエリログデータを用いて,コロナのワクチン接種に対する人々の懸念指数を定義し,都道府県別,年代性別ごとの懸念度を比較分析した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は,ソーシャルメディアや検索クエリログデータを用いて,コロナのワクチンやワクチン接種に対する人々の不安や懸念の度合いを分析した.これらの研究成果の一部は,Scientific Reports やJMIRなどの英文論文誌に採録された.また,パンデミック後のソーシャルメディアマイニングに関する国際ワークショップ (ICDM 2022 Workshop on Social Data Mining in the Post-pandemic Era (SocDM 2022)) をオーガナイズし,国内外の研究者との研究交流や情報収集を行なった.このように,一定の研究成果を挙げており,おおむねに順調に進展しているといえる.
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策として,研究項目1.「感情分析とモダリティ解析による<思い>の抽出」では,テキストに含まれる行動を抽出するモデルを開発し,モダリティ解析を進める.研究項目2.「コンテキスト解析による<思い>の測定」では,テキストから時間や空間的なメタデータを抽出するためのモデルを開発し,コンテキスト解析を促進する.また,研究項目3.「可視化システムの構築と評価」に向けて,可視化システムの設計に着手する. なお,研究分担者が海外の研究機関に転出のため外れるが,2023年度以降は,ヒューマンコンピュータインタラクションの研究者に参画してもらい,感情分析や可視化システムの構築・評価を進める予定であり,研究計画の遂行には支障がない.
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