研究課題/領域番号 |
22K12042
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60080:データベース関連
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
片山 薫 東京都立大学, システムデザイン研究科, 教授 (00336520)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 三次元CADモデル / 検索 / 可動部品 / アニメーション / 3次元CAD / アセンブリ / 部品配置 |
研究開始時の研究の概要 |
エンジンのような多くの部品から構成される機械製品の製造では様々な場面でコンピュータが利用されているが、近年ではその形状を設計するだけでなく、各部品の動きをシミュレートすることによって設計に問題がないか実物を作成する前に検証されるようになってきている。 本研究では、三次元CADシステムを用いて設計されたこのような「動きのある」CADモデルを対象として、精度の高いモデル検索技術を開発する。 この技術を応用することで、過去に発生した設計上の問題を避けつつ新たな製品を生み出すことができるようになり、より安全な社会を築くことに繋がると期待される。
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研究実績の概要 |
本研究はエンジンにおけるピストンのような動く部品を含む三次元CADモデル(アセンブリモデル)を対象とした高精度な検索技術の開発を目指している。2023年度の実績は以下の通りである。 1.鏡映関係にある三次元CADモデル識別のための特徴量の開発:本研究では問い合わせとして与えられた三次元CADモデルと同一のモデルをデータベースから検索するためモデルの位置や姿勢の違いに頑健な特徴量を利用している。そのため、これまでに三次元ラドン変換、フーリエ級数展開、球面調和関数展開を用いた特徴量を開発したが、この特徴量には鏡映関係にあるモデルを識別できないという問題があった。今年度は新たにバイスペクトルを利用することで鏡映関係のモデルを識別できる特徴量を提案し、実験によってその有効性を確認した。 2.動きのある三次元CADモデル検索のための三次元ラドン変換の効率化:部品の動きによって時間と共に形状の変化する三次元CADモデルを対象とした検索を実現するため、本研究ではモデルの形状を適当な時間間隔でサンプリングすることによって得られる集合を動きのあるモデルの表現とし、問い合わせとして与えられた静止モデルと、サンプリングされた動きのあるモデルの形状とを逐一比較している。検索の過程でモデルを構成する部品ごとに三次元ラドン変換を行うが、サンプリングされたモデルの形状に対して繰り返し三次元ラドン変換を行うのは効率が悪い。多くの場合、動く部品はモデルの中の一部であるため、動いた部品に対する三次元ラドン変換を行うことによって処理を効率化することができる。また部品の平行移動量と回転量を利用して部品が動く前の三次元ラドン変換結果から動いた後の三次元ラドン変換結果を計算することにより処理を効率化する方法を開発し、実験によってその有効性を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画調書に挙げた課題「アセンブリ構造を考慮した動きのある三次元CADアセンブリモデルに対する部品の幾何学的配置を反映した特徴量の構成とそれを利用した効率的な検索アルゴリズムの開発」と「三次元CAD アセンブリモデルの動きを表現するデータ形式」について「研究実績の概要」に記載した通り進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は2022年度、2023年度の研究成果を引き継ぎ、動きのある三次元CADモデルを対象としたより効率的で高精度な検索方法について研究を進める予定である。
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