研究課題/領域番号 |
22K12054
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60090:高性能計算関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
川原 慎太郎 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 付加価値情報創生部門(地球情報科学技術センター), 副主任研究員 (60415982)
|
研究分担者 |
宮地 英生 東京都市大学, メディア情報学部, 教授 (00501727)
伊藤 貴之 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (80401595)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 可視化フレームワーク / 科学的可視化 / 情報可視化 / XR技術 / ゲームエンジン |
研究開始時の研究の概要 |
データが内包する種々の現象の理解を促進する上で可視化技術は効果的であり、更にバーチャルリアリティ(VR)技術を用いることで複雑な三次元構造を持つ現象の直感的な理解の一助となる。物理空間上のデータを対象とした科学的可視化に加え、そこから抽出した抽象的かつ非物理的な情報を情報可視化の技術を用いて視覚化、VR空間内に複合表示することで、事象に対する理解をより深めることができると考えた。本研究では、情報可視化の現状について調査するとともに、開発中のゲームエンジン用可視化フレームワークに情報可視化機能を実装し、科学的可視化と情報可視化を同一のフレームワーク内で統合的かつ簡単に扱えるよう試みる。
|
研究実績の概要 |
本研究で目的とする科学的可視化技術と情報可視化技術の融合を実現するにあたり、既存の情報可視化技術について対象データやアルゴリズム等の調査を進めるとともに、川原と宮地が開発を進めているゲームエンジンUnity用可視化フレームワーク「VisAssets」に対して情報可視化機能を利用するためのモジュールのプロトタイプ実装を行った。具体的な成果としては、伊藤が開発した情報可視化ツールである「平安京ビュー」による描画結果をHMD(ヘッドマウントディスプレイ)で提示できるようにするとともに、同機器装着時における手持ちコントローラによるユーザ操作での可視化パラメータのインタラクティブ制御を行うユーザインタフェースをVisAssetsに実装した。科学的可視化モジュールと同様に、データ読み込みから表示に至るまでの平安京ビューの可視化フローの小要素のそれぞれをモジュールアイコン化し、それらをツリー接続することでプログラミングレスでの可視化ネットワークの構築を可能とした。また、同じく伊藤が開発した情報可視化ツールである「Hidden」の機能をVisAssetsで利用するためのモジュール開発にも着手し、主要なコードについてはオリジナルコード(Java言語)からゲームエンジン用コード(C#言語)への移植をほぼ完了した。「平安京ビュー」による描画結果については、既実装の科学的可視化モジュールによる海洋シミュレーションデータの可視化結果との仮想空間内での同時表示ができることを確認した。これらの実装状況について学会発表等で報告するとともに、公開版VisAssetsについても国際会議におけるチュートリアル講演を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Hiddenの機能をVisAssetsの情報可視化モジュールとして実装する過程において、その一部でソースコード非公開のJava用外部ライブラリの機能を用いていることからゲームエンジンでの同等の機能の代替が必要となった。いくつかの代替案について検討中であるが、当該年度中でのVisAssets用モジュール化までには至らなかった。しかしながら平安京ビューモジュールのHMDでの利用と、当初計画では次年度以降に計画していた同機器上での科学的可視化モジュールによる海洋シミュレーションデータとの同時表示については既に確認済みであることから、総合的にはおおむね順調に進展しているものと考える。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度未達のHiddenのモジュール化を急ぐとともに、科学的可視化データを情報可視化的手法で解析するための情報抽出手法およびVisAssets内でのデータ保持方法を検討・実装する。特にデータ保持方法については、今後VisAssetsで扱うことが想定されうる種々のデータ形式に広く対応し得ることが必要となるため、その設計に多くの期間を割くことを想定している。
|