研究課題/領域番号 |
22K12062
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60100:計算科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
安倍 賢一 九州大学, 工学研究院, 教授 (20315104)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 乱流 / ラージ・エディ・シミュレーション / サブグリッドスケールモデル / エネルギースペクトル / 計算科学 / 数値流体力学 / 格子依存性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,計算科学分野の中でも学術的に難しいとされる乱流の数値解析において近年注目を集めているラージ・エディ・シミュレーション(LES)に関連して,低コスト(少ない格子点数)で高い予測精度を維持できる可能性が示されている「非等方サブグリッドスケール(SGS)モデル」を研究対象とし,さらなる発展に向けて課題を明らかにするとともに解決策を検討する.特にSGSモデルの格子依存性低減メカニズムに焦点を当て,乱れのエネルギースペクトルの詳細な考察を通してそのメカニズムを解明する.さらに,その知見を踏まえた課題解決への新たな方策を提案し,世界最高のSGSモデルを構築する.
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研究実績の概要 |
非等方SGSモデルで用いるBardinaモデルや修正レナード応力モデルをはじめとする種々のスケール相似則モデルについて,高精度LESデータを用いたアプリオリテストにより詳細な検討を行った. 高精度LESデータにフィルタリングを施すことにより,乱れのエネルギースペクトルに着目したSGSモデルの詳細な考察を行い,幾つかの代表的なスケール相似則モデルによるSGS応力が運動量輸送に及ぼす影響について調査を行った.エネルギースペクトルを比較することにより,本研究の主題である「SGSアノーマリー」が発生していることを改めて確認した. さらに,渦度の輸送方程式を利用したエンストロフィの流れ方向成分に相当する量の輸送方程式に着目し,SGS応力の渦度輸送に関する効果を詳細に調査した.今回調査したトップハットフィルターでは,低波数側の影響がSGS応力の統計値に強く現れるため,渦の輸送に関するSGS応力の項については,正解値との相関は修正レナード応力モデルの方がBardinaモデルよりも高いことがわかり,やはり「SGSアノーマリー」が発生していることを確認した. 今年度は時間的な制約からトップハットフィルターのみの評価にとどまったが,今後はシャープカットオフフィルターについても検討を行う.これは,単に複数のフィルタリングを試すということではなく,シャープカットオフフィルターは低波数側の影響を低下させることができるため,トップハットフィルターとは異なる傾向が得られる可能性があると考えている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
主たる研究施設であるスーパーコンピュータが大変混雑しており,ジョブ待ちが予想以上に長くなったため,大規模計算のための準備の試験的な計算にも遅れが出て,当初予定していた大規模計算が年度内に実施できなかった.
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今後の研究の推進方策 |
これまでの計算機事情(特に混雑)に起因する問題を踏まえ,大規模計算の準備で可能なものを手元の小規模計算機でできるだけ済ませるような方策を立てて,研究の効率化を図る. 学内でMatlabの契約体制が変わり,すべてのアプリが自由に使えるようになったことから,これまで利用していなかったアプリも導入して,SGSモデルの評価をこれまで以上に効率的に処理する方策を検討する.
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