研究課題/領域番号 |
22K12072
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61010:知覚情報処理関連
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
後藤 富朗 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20324478)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ブラインド画像復元 / 車載カメラ映像 / ぼけ・ぶれ補正 / ぶれ・ぼけ復元 |
研究開始時の研究の概要 |
車載カメラ映像では、ぶれやぼけ、ノイズ混入などの画像劣化が生じる。本課題では、ブラインドデコンボリューションの高精度化・高速化アルゴリズムを提案し、車載カメラへ応用することで、車載カメラ撮影時のぼけ・ぶれ・ノイズ混入映像のリアルタイム補正を目指し、カメラ映像を用いた物体認識率や精度の向上を行うことで、次世代自動運転システムにおける安全性の向上に貢献できる技術の開発を行う。
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研究実績の概要 |
令和4年度の研究実績の概要としては、以下の3点である。 (1) ブラインド画像復元法の性能評価:フレーム平均法を用いて様々なぶれ・ぼけ画像を生成し、提案したTV正則化法とShockフィルタの組み合せによるブラインド画像復元法を用いて画像復元を行った。その結果、大きなぶれ・ぼけ画像に対する復元性能が低下することを確認した。この性能低下を補うようにアルゴリズムの改良を次年度に行う。 (2) 車載カメラ映像へのブラインド画像復元法の適用:車載カメラを持ちて映像を撮影し、路面状況や逆光、夜間等、様々なぶれ・ぼけ画像を生成し、これらの映像から静止画像を生成することで、ぶれ画像復元性能について調査した。その結果、高速走行におけるぶれ画像の復元性能や逆光時の映像に対する復元性能が低下することを確認した。 (3) 車載カメラ映像へのノイズ除去法の適用:昼間などの明るい撮影環境下における映像ではノイズ混入はほぼ皆無であり、ノイズによるぼけ・ぶれ復元性能への影響は少ないことを確認した。また、夜間などの暗い撮影環境下では、撮影画像へのノイズ混入が大きくなり、ノイズの影響がぼけ・ぶれ画像の復元性能低下を招く結果となった。そのため、ノイズ除去法を適用させ、ノイズ除去を行った画像に対してぼけ・ぶれ復元を行うことで、復元性能の向上を図り、ノイズ量が比較的少ない場合にはぼけ・ぶれ性能が改善することを確認した。ただし、ノイズ量が多い場合にはぼけ・ぶれ性能の改善が行えていないため、次年度はノイズ量が多い(かなり暗い)映像に対するぼけ・ぶれ復元性能の改善を図る。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画においては令和四年度において①ブラインド画像復元法の性能評価、②車載カメラ映像へのブラインド画像復元法の適用、③車載カメラ映像へのノイズ除去法の適用を予定しており、概ね実現することができた。令和五年度においては、ブラインド画像復元処理の高速化を図り、ワークステーション上でのリアルタイム処理の実現を目指す。
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今後の研究の推進方策 |
令和五年度は、以下の2点について重点的に研究を進める。 (1) ブラインド画像復元処理の高速化:ブラインド画像復元処理アルゴリズムを見直し、省略できる部分や高速化するための最適なパラメータを導出し、ぼけ・ぶれの推定性能を維持しつつ、高速化を図ることで、処理の高速化を実現する。 (2) ワークステーション上でのリアルタイム処理の実現:まずは比較的低い解像度での動画像処理に対してGPUカード単体でのリアルタイム処理を実現し、解像度を上げた際にリアルタイム処理が実現できる必要なGPU性能を計算する。次に複数枚のGPUカードを強調動作させ、リアルタイム処理を目指す。
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