研究課題/領域番号 |
22K12093
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61010:知覚情報処理関連
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
陸 慧敏 九州工業大学, 大学院工学研究院, 准教授 (40742466)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 映り込み除去 / 人工知能 / メタ学習 / 画像処理 |
研究開始時の研究の概要 |
写真や動画を撮影する際,窓・ガラス等からの反射により,画像のノイズの原因となる反射光が度々発生する.この反射光は単に,画質を悪くするだけでなく,物体検出・セグメンテーション等のコンピュータビジョンタスクにも悪影響を与える.そこで,単一画像を用いた映り込み除去(Single Image Reflection Removal: SIRR)を行うことで,画像認識等のコンピュータビジョンタスクのロバスト性の向上が期待できる.本研究では,少量の学習データから映り込みを効率的に除去し,実環境に応用可能なSIRRを構築するには何を解決すべきかを明らかにするのが,本研究の学術的な新規性である.
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研究実績の概要 |
近年,ガラス等の透明な媒体の背後で撮影した際に, 背後にある物体等が写真に映り込むことが度々発生する. この映り込みは, 画像を劣化させるだけではなく, 物体検出・セグメンテーション等のコンピュータビジョンタスクにも影響を与える. 画像中にある反射光を分離させることは, 人間にとってはあまり難しいことではないが, コンピュータビジョンにおいては, 大変困難な問題である. 本研究では,メタ学習を用いた単一画像の映り込み除去(SIRR)を提案している.提案法は我々の過去の成果を発展させる新しいアプローチで,少量の学習データから映り込みを効率的に除去し,実環境に応用可能なSIRRを構築するには何を解決すべきかを明らかにするのが,本研究の学術的「問い」である. 今年は本提案手法を比較するため,合成画像を作成し, 学習データの枚数を増やす. また, 深層学習モデルとしてDeepLabv3+を採用した反射光除去を提案した. 広範囲コンテキストな情報を効率的に得ることができ, 反射光の除去に有効した. 反射光除去で一般的に使用される評価方法であるPNSR, SSIMを用いて提案手法の精度を測定した. また,本研究では,様々な学習条件に基づいて実験を複数行った.変更させる学習条件は,学習データのみである.それ以外は変化させずに,Model-Agnostic Meta-Learning(MAML)を使用した提案手法とMAMLを使用していない従来手法との対照実験を行った.実験を通して,従来手法より良好な結果を示したため,一定の成果が得られたことが確認できた.メタ学習はクラス分類・回帰問題等で成果を残しているが,SIRR分野では未知の領域だった.しかし,実験結果より,MAMLを使用していない従来手法や他論文の手法より,本論文の提案手法が優れた結果を残した.故に,メタ学習がSIRRに有効なことが確認できた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年は, 単一画像反射光除去(SIRR)の深層学習モデルとして, DeepLabv3+を提案した. また, 反射形成モデルを提案し, 合成画像を生成した.SIRR分野でよく用いられる4つのデータセットを用いて実験を行い, 提案手法の比較を行った. 実験を通して, 良好な結果を示すことができた. また, 合成データで用いる反射形成モデルの違いで, 結果が左右されることを確認できた.
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今後の研究の推進方策 |
今後の課題としては,提案手法の更なる比較・検討とリアルタイム性の検討である.その手段としては,自作データセット・合成データセットを用いることが考えられる. また,本研究の結果を他分野への展開,例えば,異常検知等の応用研究を実施することを予定される.
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