研究課題/領域番号 |
22K12094
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61010:知覚情報処理関連
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
芹川 聖一 九州工業大学, 大学院工学研究院, 教授 (60226686)
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研究分担者 |
北園 優希 北九州工業高等専門学校, 生産デザイン工学科, 准教授 (50612222)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 3次元物体認識 / セグメンテーション / 人工知能 / 自律無人機 / 画像処理 |
研究開始時の研究の概要 |
地域における物流の効率化によるCO2排出削減に向けて、空陸両用自律無人機での配送システムの開発が不可欠である。しかし、空陸両用自律無人機の活用において、自律的に飛行と走行を切り替える着陸点位置などの環境感知の課題が残っている。本研究では空陸両用無人機の自動運転のための画像セグメンテーションの開発を目的とする。具体的には空から陸上の周囲環境を人工知能により認識し、安全に自律離着陸できるアルゴリズムを開発する。そのために、深層学習を用いた複雑な着陸環境を認識する技術を開発する。本研究における強ノイズ環境下での画像情報を利用した空から撮影した小さなオブジェクトの認識は、学術的独自性と創造性がある。
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研究実績の概要 |
地域における物流の効率化によるCO2排出削減に向けて,空陸両用自律無人機での配送システムの開発が不可欠である.しかし,空陸両用自律無人機の活用において,自律的に飛行と走行を切り替える着陸点位置などの知能的環境感知の課題が残っている.そこで,本研究の学術的「問い」は「複雑環境に対する頑健性を飛躍的に向上させる新たな環境認識を確立できるか?」である.本研究では人工知能を用いた運転環境感知の自動化を持つ自律無人機の開発を目的としている.具体的には空から陸上の周囲環境を人工知能により認識し,安全に自律離着陸できるアルゴリズムを開発する. 周囲環境を人工知能により認識するための有効な手段の一つはセグメンテーションである。セグメンテーションは,画像中の物体と背景の境界まで切り分け,その輪郭まで正確に推定するタスクであり,コンピュータビジョンの分野で最も重要なトピックの一つとして古くから研究が行われている.コンピュータに実行してほしい多くの視覚機能の中で,シーンを解析し,その中に含まれる物体を全て認識することは,現在でも最も挑戦的な課題である. 本研究ではPV-RCNNというボクセルベースの手法とポイントベースの手法を組み合わせたフレームワークが提案されている.この手法では,点群のボクセル化データをもとに,3次元ボクセルCNNを用いて物体の特徴を抽出する.しかし,CNNによる分解能低下に伴い,物体の位置特定に影響を与えてしまう. そこで,本研究では,ボクセルCNNからの単一の出力のみでなく,より高分解能の出力も含めた複数の出力をRPNに入力させ,より小さい物体に対する検出精度を向上させることを行なっている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究では以下の三要素を基に深層学習モデル設計を行った. 局所的特徴抽出部: ここでは,物体そのものが持つ特徴を抽出する.物体そのものが持つ特徴としては,エッジ,形状,テクスチャ,あるいはより高レベルな特徴などが考えられる. 大局的特徴抽出部: ここでは,物体同士の位置関係や意味的関係を理解する.カテゴリラベルは,物体同士の位置関係や意味的関係を理解することで初めて分類が可能になる. 得られた信頼度マップに対する補正を加え,ノイズ除去を行った後に,高精度な道の認識を行う. この研究は従来の2次元物体認識から3次元物体認識へ拡張し,実世界の問題をさらに解決できるように工夫している.
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今後の研究の推進方策 |
今年度では,無人機自動運転のための物体検出手法を提案した.手法としては,深層学習と点群データを用いたPV-RCNNに対し,Multi-Scale Region Proposal Networkを導入することにより,ボクセルCNNの分解能低下の問題改善を図った.KITTIにおけるCars,Cyclists,Pedestriansの3クラスを用いて学習を行い,実験を行った結果,Carsの検出精度をほぼ維持したまま,Cyclistsの精度は上がり,Pedestriansの精度は下がった. 手法の改善のために,Pedestriansの検出におけるノイズの除去などが必要である.また,よりロバストな検出器を構築するために,CyclistsやPedestriansのデータの水増しも必要である.さらに自動運転への実用化に向けた,検出速度の改善も今後の課題である.
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