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複屈折反射特性の計測に基づくあらゆる条件下における能動的材質認識

研究課題

研究課題/領域番号 22K12096
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分61010:知覚情報処理関連
研究機関兵庫県立大学

研究代表者

日浦 慎作  兵庫県立大学, 工学研究科, 教授 (40314405)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
キーワード変更 / 材質認識 / end-to-end最適化 / 最適計測 / 偏光 / LiDAR / ミュラー行列 / 偏光反射特性 / 複屈折 / 反射
研究開始時の研究の概要

シーン中の物体の材質認識はロボットや自動走行,リサイクルの自動化など応用分野での需要も高いタスクである.研究代表者はこれまでの研究で,木や布など非等方的な微細構造を有する物体は複屈折反射特性を有することを見出した.この性質を用い,物体表面のテクスチャが画像として解像できない遠方から,対象物体の材質を認識する手法を開発する.LiDAR(光レーダ)では超短パルス光をビーム状に照射することで,太陽光の影響が大きい日中屋外でも反射光を計測することが可能であり,これに偏光計測機能を搭載し,日夜問わずあらゆる条件下で100m程度遠方の対象の材質を正確に認識する手法を開発する.

研究実績の概要

カメラを用いた光学的な材質認識の方法として,一般的なカラーカメラで撮影された色やテクスチャの情報を手がかりとする方法のほか,多波長・近赤外線・遠赤外線などの光の波長に関する拡張や,BRDFや表面下散乱における光の時間遅れなどの様々な光学的な手がかりを用いる方法が提案されている.そのなかで,偏光も材質の識別に対して有用な情報である.

偏光における入射光と反射光の関係はミュラー行列と呼ばれる計16個のパラメータで表され,豊富な情報量を有するが,計測には光源側とカメラ側に取り付けた偏光素子を回転させ,複数の回転角度の組み合わせで撮影を行うため,計測には長時間を要する.一方,材質認識のタスクにおいて,ミュラー行列全体の情報は必ずしも必要ではない.そのため,全ての偏光情報を用いず,材質認識において重要となる偏光情報のみを重点的に計測することで,少ない計測回数でも高精度な認識が可能になると考えられる.しかし,どのような偏光素子の回転角度の組み合わせを用いて計測すればよいのかは明らかにはなっていなかった.

そこで本研究課題では,偏光を用いた材質認識のために,偏光計測系における偏光素子の回転角度の組み合わせと材質分類器を同時に最適化することで,少ない計測回数で高精度に材質認識できる手法について研究した.対象物体への入射光は偏光計測系により任意に変調可能であることを前提とした.直線偏光のみを用いる場合と,円偏光も利用する場合の両条件において,それぞれ学習を行った結果,いずれにおいても,提案手法が少ない計測回数で高い識別精度を達成した.また,直線偏光板のみを回転させた場合や1/4波長板のみを回転させた場合に比べ,直線偏光板と1/4波長板の双方の回転角度を最適化する手法が最も高い識別精度を達成できることが分かった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまで明らかになっていなかった,偏光を用いた材質認識について,直線偏光情報だけでなく,円偏光の計測に基づく複屈折反射特性の情報が大きく寄与することが初めて明らかになった.特に,hand-craftedな計測手段でなく、最適化の結果得られた計測条件で差異が認められたことは有用であり,本研究課題は順調に進展していると考えられる.

今後の研究の推進方策

現在までに1点計測による認識率の向上等を確かめたが,偏光テクスチャ情報を用いた認識については未検討であるため,今後はその研究を推進する.

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 学会発表 (8件)

  • [学会発表] 偏光計測系と分類器の同時最適化による材質認識2024

    • 著者名/発表者名
      有川尚輝, 前田涼汰, 日浦慎作
    • 学会等名
      情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 単一光子検出器を用いた表面下散乱のトランジェント偏光イメージング2023

    • 著者名/発表者名
      中田健太, 前田涼汰, 日浦慎作
    • 学会等名
      MIRU2023 画像の認識・理解シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] カラー偏光反射特性の計測に基づく材質識別2022

    • 著者名/発表者名
      有川尚輝, 前田涼汰, 日浦慎作
    • 学会等名
      MIRU2022 画像の認識・理解シンポジウム
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] カラー偏光反射特性の計測に基づく材質識別2022

    • 著者名/発表者名
      有川尚輝, 前田涼汰, 日浦慎作
    • 学会等名
      情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] ライトトランスポートの計測に基づく一般照明下における映り込みの除去2022

    • 著者名/発表者名
      赤松薫平, 前田涼汰, 日浦慎作
    • 学会等名
      MIRU2022 画像の認識・理解シンポジウム
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] ライトトランスポートの計測に基づく一般照明下における映り込みの除去2022

    • 著者名/発表者名
      赤松薫平, 前田涼汰, 日浦慎作
    • 学会等名
      情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 高精細BTF撮影のためのティルトカメラの開発2022

    • 著者名/発表者名
      山根孝太, 日浦慎作
    • 学会等名
      MIRU2022 画像の認識・理解シンポジウム
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 高精細BTF撮影のためのティルトカメラの開発2022

    • 著者名/発表者名
      山根孝太, 日浦慎作
    • 学会等名
      情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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