研究課題/領域番号 |
22K12106
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61020:ヒューマンインタフェースおよびインタラクション関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
星野 聖 筑波大学, システム情報系, 教授 (80251528)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 自動走行酔い / 眼球回旋運動 / 眼球白目の血管像 / テンプレートマッチング / 視線推定 / 眼球のほぼ横に設置されたカメラ / ロボット台車 / 前庭系 / 加速度刺激 / 眼球回旋運動計測 / モーションキャプチャ |
研究開始時の研究の概要 |
第一に,乗り物酔いや気持ち悪さの指標となる「眼球回旋運動」と「視線」を,装着をほとんど感じさせずに計測できる機構を創出する.眼球のほぼ横に設置した小型カメラで,眼球白目の血管像を追跡し,また,カメラ位置に対応した最適キャリブレーション用凝視点決定ルールを創出することで,高精度で,周囲光環境に頑健な眼球運動計測システムを実現する. 第二に,加速度の向きや大きさを自由に変えられるロボット台車を用いて,前庭系入力(走行速度・加速度・進行方向・軌道の曲率など)を変えた時の,乗り物酔い感覚に対する,台車の動き,被験者の体躯と頭部の動き,3次元眼球運動の関係性を解析する.
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研究実績の概要 |
自動走行により運転から開放され,走行中の携帯端末操作,TV番組視聴,ゲーム等の機会が増えると,「自動走行酔い」の多発が予想される.ヒト前庭系への加速度入力,頭部と体躯の体性感覚,眼球運動による視覚情報のあいだの矛盾が原因であるが,それら3つの関連性を詳細に検討した研究はまだない.本研究の目的の第一は,乗り物酔いや気持ち悪さの指標となる「眼球回旋運動」と「視線」を,装着をほとんど感じさせずに計測できる機構を創出すること.第二は,加速度の向きや大きさを自由に変えられるロボット台車を用いて,酔いを感じた時の,前庭系入力,頭部や体躯の動き,眼球運動のあいだの関連性を定量化することである. 同研究目的達成のため,当該年度は,とくに個人差と個人内差の影響を受けにくい眼球回旋運動計測機構の検討を行った. 当該研究の研究グループでは,眼球白目に存在する血管像を追跡する手法を考案していたが,どういう性質を持つ可変パラメータが,眼球回旋運動推定の精度,速度,安定性などに,どのような影響を及ぼすかについての検討が不十分であった.そこで,「太くて,濃くて,特徴的な形状」の血管像をシステムが自動選択して,テンプレートマッチングを行うことで眼球回旋推定を行う画像処理において利用できそうな可変パラメータ4種類を選択した.そして,それらの全組み合わせでの類似度計算を行い,どのような可変パラメータ値が,眼球回旋推定の精度や安定性に,どのような影響を及ぼすかの検討を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度の後半に,所属機関の異動が決まり,それに伴い,各種の用務が発生したものの,本研究課題は概ね順調に進捗した.概ね順調に進展したと判断できる理由は,研究計画は3つの小課題から構成されるが,小課題の1と2の途中まで達成できたためである.
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今後の研究の推進方策 |
加速度の向きや大きさを自由に変えられるロボット台車を用いて,酔いを感じた時の,前庭系入力,頭部や体躯の動き,眼球運動のあいだの関連性を定量化することが次年度の目的である. ただし,異動に伴い,ロボット台車を動かす空間を異動先に再構成する必要があり,その改修工事を夏休み中に行うため,次年度の研究を,実機ベースによる実証実験中心の進め方から,制御方法等を中心とした理論ベースに,研究の方向性を変えて,研究の進捗が遅延しないように対応したいと考えている.
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