研究課題/領域番号 |
22K12117
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61020:ヒューマンインタフェースおよびインタラクション関連
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研究機関 | 岡山県立大学 |
研究代表者 |
大山 剛史 岡山県立大学, 情報工学部, 准教授 (40462668)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 両側性運動 / 運動制御 / 認知科学 / 人間工学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はピアノ演奏のような左右の手足を同時に用いる両側性運動について、運動の困難さをもたらす要因について実験によって明らかにすることを目的とする。従来、両側性運動の困難さは手を動かすための脳の中の信号の混乱によると考えられてきたが、本研究では運動の目的を調節することで、この困難さが変化することを示す。さらにその結果から、両側性運動の仕組みや、両側性運動を簡単にする教示法などについて考察する。
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研究実績の概要 |
水平面、前額面、矢状面での手先の両側性回転運動を正中線を境界に左右の手先の回転方向が鏡像になる条件と、片方の手先だけを鏡像になる条件とは反対に回転させる条件で計測し、二つの条件間で運動のしやすさを比較した。運動が左右鏡像になるとき、両手の同時運動は容易になることが知られており、したがって、三平面のいずれの条件でも鏡像になる条件での運動は容易であると推測される。一方、片方の手先だけ反対に回転させる条件において、被験者から見た回転方向で考えたとき、水平面、前額面は同じ回転方向として見えるが、矢状面は回転方向が一致しない。もし、左右の同時運動のしやすさが被験者から見た運動の一致・不一致の影響を受けるのであれば、水平面、前額面と比べて、矢状面でのみ、片方の手先だけ反対に回転させる条件で運動がしづらくなると推測される。この仮説の妥当性を検討するべく、運動のしやすさを左右の手先の同期性で評価して、各条件間で比較した。その結果、矢状面でのみ片方の手先だけ反転する条件で左右の手先の同期性が低下し、この条件では両手運動を生成しづらくなることが示され、左右の同時運動の生成には左右の対応する筋の一致・不一致だけでなく、行為者から見た軌道の一致・不一致も影響し得ることが明らかになった。また、学会発表等までには至らなかったが、左右の同時運動を生成しているときの脳活動の計測を試み、実験の条件によって運動時の脳活動にどのような変化が生じ得るかについての調査に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度に予定していた実験を支障なく実施するとともに、当初の仮説に則った結果を得られたことに加えて、論文投稿・採録にまで至ったことから、おおむね順調に進展していると自己評価している。また、脳活動の計測について昨年度から新たに着手したところであるが、機器の取り扱いや実験デザインなどについておおよそ把握できたことも判断材料としている。
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今後の研究の推進方策 |
両手の同時運動の生成に運動の手掛かりがどのような影響を与えるか、両手と両足の同時運動において運動のしやすさに影響を与える要因としてどのようなものがあるかについて、計測実験によって明らかにしていく。さらに、運動中の脳活動を計測することによって、活動部位の機能と照らし合わせながら、両手の同時運動を生成するために行われている脳の処理について考察する。これらの成果に基づき、両手の同時運動生成を実現する計算モデルの提案を目指す。
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