研究課題/領域番号 |
22K12121
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61020:ヒューマンインタフェースおよびインタラクション関連
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研究機関 | 滋慶医療科学大学 |
研究代表者 |
岡 耕平 滋慶医療科学大学, 医療管理学研究科, 教授 (90466863)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 認知症 / 加齢 / BPSD / 支援技術 / 記憶 / 環境依存性 / 拡大・代替コミュニケーション |
研究開始時の研究の概要 |
もの忘れや不安といった認知症に伴う行動・心理症状(BPSD)が社会で問題になっている。認知症のBPSDについては、生活環境が変わることで当事者の利用可能な情報(記憶)がなくなることが「見かけ上の認知症」の進行を早めていると考えられる。そのため、当事者が過去に利用した記憶を活かせる環境を整えて認知・記憶を補助することで、症状の進行を抑制できる可能性がある。本研究では、心理学と特別支援教育学の複合領域の知見を生かし、認知症高齢者の認知支援システムを開発することで、環境変化と症状の関係を解明し、認知症のBPSDの進行抑制のモデルを探求する。
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研究実績の概要 |
申請時は高齢者の入居施設に協力を得て施設に居住する高齢者と在宅高齢者の記憶機能の比較をする予定であったが、新型コロナウィルスの流行によって、内諾を得られていた調査が実施できなくなった。そこで、昨年度に計画を変更し、在宅で生活する高齢者及びその支援者(家族)に対して、日常生活における記憶の困難の特徴と記憶を補助するための環境利用の状況を調査することとした。本年度はその計画に従って調査を実施した。13組の後期高齢者の自宅を訪問し、高齢者本人とその支援者(家族)に対してインタビュー調査を実施した。その結果、(1)加齢によって記憶機能に低下があるものの、日常生活の工夫と家族からの支援で、不自由を感じていない高齢者がほとんどであったこと、(2)他方、家族からは当事者が日常生活に不自由が生じているという認識のズレが見られたこと、(3)本人は不自由がないといいつつも、実際には手続き記憶の新規獲得が生活の支障につながっていること、(4)手続き記憶の獲得にテクノロジーの利用が貢献しておらず、かえって新規のテクノロジーによって様々なツールの利用が困難になっていること(5)手続き記憶の新規獲得が困難であるものの、相当な回数の練習によって獲得が可能であること、(6)その「相当回数の練習」に家族及び支援者の支援が必要なこと、(7)当該の支援の有無が手続き記憶の新規獲得の可否に直接的に影響すること、(8)記憶機能の困難はアナログなツール及び周囲の人間などの環境利用によって支えられていること、などが明らかになった。これら成果の一部を国際学会SARMAC2023(Oka &Tsuri, 2023)や国内学会ヒューマンインタフェース学会第211回研究会(釣・岡, 2024)で報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウィルスの流行により申請時の計画を変更したが、昨年度に研究計画を変更してからの研究は予定通り進められているため。
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今後の研究の推進方策 |
現時点までに得られたデータをまとめ、論文を作成し、投稿する予定。投稿先としてヒューマンインタフェース学会論文誌を予定している。
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