研究課題/領域番号 |
22K12127
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61020:ヒューマンインタフェースおよびインタラクション関連
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
藤本 雄一郎 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (30755971)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 拡張現実感 / 作業支援 / 訓練 / アイコンタクト |
研究開始時の研究の概要 |
拡張現実感技術を用いた作業支援システムが,工場等の作業に導入され始めたが,継続利用時の支援効果や訓練効果については明らかとなっていない.本研究では,拡張現実感作業支援システムへの依存メカニズムを解明し,作業訓練(スキル獲得)に与える影響を明らかにすることを目的とする.具体的には,特定の組み立て作業に対し,拡張現実感を利用した異なる多様な情報提示方法を利用できる実験用システムを構築し,それらの被験者実験を通した比較により,上記を明らかにする.これは,作業支援効果と作業訓練効果を両立させる新たなフレームワークを生み出すさらなる研究に繋げることを想定している.
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研究実績の概要 |
本研究は,拡張現実感支援システムへの依存メカニズムを解明し,作業訓練(スキル獲得)に与える影響を明らかにすることを目的とする.今年度は,前年度の結果をふまえ、「(1)人との対話時のアイコンタクト」と「(2)点検作業」の二つの特定スキルに着目し、それぞれ、システム実装を遂行した。
(1)人との対話時のアイコンタクト:学透過型頭部装着ディスプレイであるHoloLens2を装着し、人との対面対話時に、注視すべき箇所を学ぶための訓練システムの構築を進めた。本年度では、17名の参加者による実験を実施し、対話時の振る舞いをデータ(視線データ、頭部一姿勢データ、音声データ、対話者の顔の位置データ等)として記録した。さらに、対話中の動画を研究協力者の精神科医にソーシャルスキルの観点でスコアづけいただいた。それらのデータを合わせて分析することで、ソーシャルスキルの観点で対話中の望ましい視線行動を明らかにした。具体的には、対話時に有効なアイコンタクトの継続時間やその頻度、うなずきの方法などが明らかとなった。
(2)点検作業:各種工業製品の定期メンテナンスを支援するためのARシステムとその基礎UIを構築した。構築にあたり、ARシステムに不慣れな者でも理解しやすく、扱いやすいシステムとなるよう留意し、設計を行った。特に、手が届かない範囲のバーチャルオブジェクトを操作する遠距離操作は、実世界では存在しない動作であり、なじみがない者にとって困難が生じやすいため、先行研究を網羅的に精査して、実装を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度取り組んだ、「プレゼンテーション中のアイコンタクト」というスキルを発展させた「対話中のアイコンタクト」というスキルに加え、当初の想定対象である「点検作業」というスキルの両システムの実装を平行して行った。継続利用時の効果検証は来年度中に実施できる予定であるため、全体として、「おおむね順調に進展している。」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、(1)人との対話時のアイコンタクトの研究は、ソーシャルスキルを専門とする精神科医と、(2)点検作業の研究は、企業と、それぞれ連携し、研究を進めた。来年度のシステム評価にあたっても、これらの連携関係を維持して研究を進める予定である。
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