研究課題/領域番号 |
22K12129
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61020:ヒューマンインタフェースおよびインタラクション関連
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研究機関 | 公立はこだて未来大学 |
研究代表者 |
川嶋 稔夫 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 特命教授 (20152952)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 視野障害 / VR / 電子リーダー / 読書支援 / 支援 |
研究開始時の研究の概要 |
視野狭窄などの視野障害では,視力は部分的に残存するものの生活の質の低下は著しい.本研究では,視野障害が生活にもたらす影響をVR空間内で実験的に調査することで,障害の影響を低減するための支援手法を開発する.本研究の範囲では視野障害の影響を受けやすい「読書」を対象に研究を進める.障害者の症状に基づいて設計したVRシミュレータを用いることで,症状に適したよみやすい電子リーダーの設計が可能になる.
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研究実績の概要 |
第1年度は,(1) 仮想現実感を用いた視野障害シミュレータの作成を行なうとともに,(2) 視野障害シミュレータを用いた視覚認識行動の測定を行った.(1)では視線検出機能をもつVR装置を用いて,求心性視野狭窄と同名半盲の2種類について視野障害の見え方を再現した.この装置を用いて(2)では,第1年度から第2年度にかけて,読書に際して,上記2種類の視野障害がどのような影響を与えるかについて実験を行なってきた. (1)で開発した装置を用いて,仮想空間内に電子リーダー(文書提示機能)を作成し,2種類の視野障害シミュレーションを行って読みの実験を継続して行ってきた.これまでに実験の結果,求心性視野狭窄においては,視野が狭くなるほど読み速度は低下し,その要因は視線の停留回数の増加にあることが分かった.有効視野角が狭くなるにつれて,視線の改行時に停留回数が増加し,行の読み進めの際の停留回数が増加し読み速度が低下するようになることが明らかになった.また,視野が狭くなると読みの際に眼球の動きに加えて,頭部の動きが発生することが示された. とくに第2年度では,求心性視野狭窄および同名半盲以外の多様な視野障害のパターンについて患者の調査を行い,(1)の視野障害シミュレーションに追加するための情報を得ることができた. なお,第2年度の本研究にかかわる主たる研究報告活動としては,読者の年齢と読み特性の関係に関する研究成果報告と,視野障害が読みにくさを増加させる原因とその改善方法についての大学図書館職員研究集会における講演が挙げられる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
代表者の定年退職と職務変更(専任教授から特命教授へ)にともなって,研究環境の変更と整備に期間を要したため,予定より研究の進捗が遅れる部分が発生した.ただし第1年度の研究が予定より早く進んでいたため,遅れは軽微なものである.
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今後の研究の推進方策 |
第2年度予算の中で,第1年度の懸案であった機材変更が達成できたので,第3年度では予定通り視野障害のためのテーラーメード視覚認識支援の研究を実施する予定である.
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