研究課題/領域番号 |
22K12164
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61030:知能情報学関連
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
千葉 一永 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (50450705)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 進化的学習分類子システム / 時系列データ解析 / 非定常空気力学 / 航空気象 / 遷音速バフェット / 航空機 / 非定常高速空気力学 |
研究開始時の研究の概要 |
カオス的挙動をとる遷音速バフェットデータに対し進化的学習分類子システムを適用することで,遷音速バフェットの時間的な発生位置の規定に挑む.規定が可能となることで観測すべき時間的位置が絞られ,発生メカニズム追究につながる.その結果,遷音速バフェットの制約を考慮する必要のない革新機体や運航システムが設計可能となり,現在に比べ劇的に安全で快適な近未来空輸が実現される.
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研究実績の概要 |
1年目に実施した遷音速バフェットへの適用により,提案手法の有効性が示された.一方,本年度2年目で実施したパラメータの依存性調査では,結果に大きな影響を与えないことが判った.そこで,入力データ依存性を確認し,提案手法の汎用性を調査するため,申請時検討中であった,航空気象データへ応用することにした. 地上・空路・人工衛星様々なチャンネルから多様で膨大なデータベースに基づき,航空気象データは構築されている.本研究では,航空環境に最も基本的で,かつ影響性の高いと推測される雨量データを入力データに活用した.問題としては,雨量データと航空機の回避経路との間の相関解析とした.その結果,雨量データと回避距離との間に正の相関があることが明示された一方,雨量と無関係な領域で大きく回避行動を行うケースが自動判別された. 本手法は,時系列データ解析の一手法の役割を想定していたが,大規模データベースから如何にデータ解析用の入力データセットを構築するのが適切かを確認する,プリプロセスの役割が果たせる可能性が示唆された.データ解析結果は入力データに完全に依存するため,この役割は重要である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画では,非定常空気力学データへの適用のみを計画していたが,航空気象データにまで適用し,より汎用的な観点で提案手法の可能性と限界を調査することができている.
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今後の研究の推進方策 |
航空気象データを用いる航空交通管制システム設計は,パイロットの感覚や管制官の負荷業務により不安定に支えられている,現状未発達な領域である.特に近年,ハブ空港となり発着数が膨れ上がる羽田空港の航空交通流制御は,運輸安全の観点から喫緊の課題である.航空気象データには,本年度活用した雨量データ以外にも多様なデータが含まれている.雨量と無関係な領域での回避行動は,突風や晴天乱気流が原因と推測される.これまで知られてはいるものの予測ができず,対処が完全にできていないこれらの現象を,提案手法を用いた時系列データ解析で追うことで,より汎用性を高める.
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