研究課題/領域番号 |
22K12181
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61040:ソフトコンピューティング関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
松下 春奈 香川大学, 創造工学部, 准教授 (00604539)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 分岐点探索 / 分岐解析 / ホモクリニック点 / 差分進化(DE) / 粒子群最適化法(PSO) / 差分進化 / 粒子群最適化法 / ホモクリニック分岐 / 進化計算 / 粒子群最適化 / 非線形解析 |
研究開始時の研究の概要 |
群知能型(SI)最適化法による、手軽かつ高精度なホモクリニック分岐解析手法の提案を目的とする。従来型ホモクリニック分岐解析において必要不可欠であった、複雑かつ精度の高い前情報を排除し、ホモクリニック分岐導出の徹底的な簡略化を図る。本手法SI法の利点と分岐構造の特徴を組み合わせた独創性溢れる手法である。また、高次元や局所解を持つ問題に強いSI法の特徴を生かし、これまでは解析困難であった高次元システムや、分岐解析初心者による詳細な分岐解析を可能とする。古典的な非線形理論と最新のSI理論の両方を組み合わすことで、不確かさを含んだ実社会問題の分岐解析を可能とする。
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研究実績の概要 |
本研究では、勾配法を用いない群知能型最適化法による、手軽かつ高精度な分岐解析手法の提案を目的としている。 まず、提案手法である入れ子構造型PSO(NLPSO)をベースとした、分岐点探索ソフトウェア開発を行った。提案されたアルゴリズムは、関連分野の専門知識が十分でない場合でも簡単に利用でき、また高速に分岐点を導出できることを確認した。 次に、NLPSOによる分岐点導出法を自律システムに拡張した。この研究では、ポアンカレ写像の計算と二等分法をアルゴリズムに組み込むことで、自律システムのための非勾配法による分岐点導出手法を提案した。シミュレーションにより、その有効性を確認・実証した。 さらに、3つの余次元1の分岐と、3つの余次元2の分岐を含む、6種類の分岐を検出するためのNLPSOの新しい目的関数を提案した。提案した目的関数を用いて改良したNLPSOは、各分岐パラメータに予め決められた法則に従って3つのパラメータを設定することで、探索アルゴリズムを変更することなく、離散時間力学系および非自律系の余次元1の分岐パラメータと、余次元2の分岐パラメータの両方を正確に検出することを確認した。 また、既存の手法であるPSOと比較し、差分進化(DE)が分岐点探索に適していることを詳細に調査、考察した。DEを用いることで、入れ子構造ではなく単一構造であったとしても、より高速かつ正確に分岐点探索が行えることを調査、確認した。 さらに、離散時間力学系で観測されるホモクリニック点の座標を正確に計算するためのNLPSOによるアルゴリズムを提案した。これは、各多様体の点間のユークリッド距離に依存する効率的な目的関数の構築によって達成される。提案アルゴリズムの信頼性を、手法の成功率に基づく指標を評価することによって示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
分岐点探索力の向上に関する調査を既に終えている。それらの結果は複数の学術論文として発表できている。また、ホモクリニック点の導出へのPSOの実装を済ませている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、ホモクリニック点の導出に関して、様々な力学系へ応用し、その有効性を確かめる。また、最適化アルゴリズムの改善、および、目的関数の拡張を試みる。
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