研究課題/領域番号 |
22K12190
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61040:ソフトコンピューティング関連
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研究機関 | 国立研究開発法人水産研究・教育機構 |
研究代表者 |
徳永 憲洋 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産大学校, 准教授 (00432956)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 超音波 / 超音波エコー画像 / 自己組織化マップ / RBFネットワーク / 脂肪含有量 / 非破壊 / スマートセンサ / 脂肪含有量の推定 / ソフトコンピューティング / 非破壊評価 / 魚肉 / 大脳皮質型学習モデル / 養殖魚 |
研究開始時の研究の概要 |
養殖魚の「成長度」「脂の乗り」「寄生虫の有無」などの「発育測定」を行うセンシング技術があれば,餌の量や種類,水温制御などの意思決定が容易になり,さらに消費者に届ける前に評価することで食の品質・安全管理を確保できる.発育測定は養殖魚の鮮度を保つためにも非破壊で行えたほうが良い.そこで本研究では音響と脳型情報処理技術を組み合わせることで,水中の養殖魚の「発育測定」を可能とするセンシングシステムの基盤技術の開発を目指す.
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研究実績の概要 |
令和5年度は魚のおいしさの指標の一つである「脂ののり(脂肪含有量)」を超音波を利用することにより非破壊で定量的に評価できる基盤技術の開発に関して、以下の2点を行った。 (1)超音波エコー画像から魚肉に含まれる脂肪量を推定するアルゴリズムの開発 (2)マアジ、カマス、マサバの3魚種の超音波エコー画像を取得すること まず(1)については、自己組織化マップと放射基底関数ネットワーク(RBFネットワーク)を利用して脂肪量を推定するアルゴリズムを提案・開発した。超音波エコー画像に対して短時間高速フーリエ変換を施し、得られた周波数スペクトルベクトル集合からキーとなるベクトルを自己組織化マップで獲得する。その後Bag Of FeatureとRBFネットワークを利用して脂肪量を推定する。また(2)については、これまでマアジだけの超音波エコー画像しか取得していなかったため、他魚種としてカマスとマサバからも超音波エコー画像を取得した。カマスは鱗がマアジに比べて厚いことと時期的に脂が乗っていることから利用することとした。またマサバについてはマアジよりも脂肪含有量が高いことと、サイズがマアジよりも大きいことが脂肪量推定に影響を与えないかを調べるために利用した。(2)で得られた超音波エコー画像を使い、(1)で提案された手法によって脂肪含有量を推定した。また昨年度提案した画素の閾値を利用した簡易的な脂肪推定アルゴリズム、そしてIntegrated Backscatter法を利用した脂肪推定法とも脂肪推定精度を比較した。その結果、自己組織化マップとRBFネットワークを利用した手法は他手法よりも脂肪推定精度が高かった。詳細については今後、学会や論文などで発表をする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通りソフトコンピューティングを用いた脂肪含有量の定量化方法の開発ができている。またマアジ以外のエコー画像の収集をすることができている。今後も他魚種のエコー画像を取得する予定。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度で行う研究は以下の3点である。(A)研究をまとめる。(B)他魚種における超音波エコーデータ収集、(C)音響を用いて魚の脂の乗りを測定できる基盤技術の開発。(A)については、これまでの研究結果を学会発表や論文としてまとめる予定である。(B)については、他魚種の魚についても超音波エコー画像を取得する予定である。(C)については、さらに高精度でエコー画像から脂肪含有量を推定でいるソフトコンピューティング法を開発する予定である。
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