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顔面曲線(面)形状の分析/体系化とそれを用いた形成外科手術用テンプレートの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K12219
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分61060:感性情報学関連
研究機関和歌山大学

研究代表者

原田 利宣  和歌山大学, システム工学部, 教授 (80294304)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード形成外科手術 / 深層学習 / 顔面形状 / 曲線(面) / 曲率プロファイル / 手術用テンプレート / 顔面再建 / 性徴 / 曲線・曲面分析 / 3次元テンプレート
研究開始時の研究の概要

本研究の目的は病気や外傷等を負った患者の顔面の形成外科手術への適用を考え,様々な人種の顔面の形状を曲線(面)の特徴や各部位間の丸みや体積といったボリュームのバランスからタイプ分類し,それを視覚化・定量化すること,ならびに,その知識を用いた患者の顔面形状のタイプに適合する手術用テンプレートのデザイン(企画・設計)と検証である.曲線(面)に関する研究では曲率プロファイルによる分析を,顔面の各部位間のバランスや特徴の関連性ではニューラルネットワークを主に分析に用いる.これにより患者の顔面形状を生かして,顔面の曲線(面)形状やバランスを考慮した新たな視点での手術用テンプレートをデザインできる.

研究実績の概要

形成外科では,病気や外傷を原因とした顔面の形状異常を修正するための手術が行われる.また,病気や外傷以外に,性同一性障害の患者の男性的な顔の特徴をより女性的な外観に変える顔面女性化手術といった,顔面の形状を心の性と一致させることを目的とした手術が行われている.顔面再建や性徴の変更を目的とした形成外科手術では,男性/女性として自然な顔に見える整容性という観点が重要である.従来の研究には,整容性に影響を与える,顔の各部位の断面における曲線の特徴や,丸みや体積といったボリュームに着目した研究が見当たらない.
そこで本年度における研究では,額の曲線に関する研究を発展し,額を除く,顔面の目,鼻,人中,頬,顎を含む領域を対象に2つの人種の顔断面における曲線の特徴を分析し,人が顔面のどの部位に起因して男性/女性としての自然らしさを感じ取るのかという感性的な印象の違い,およびその共通項,さらに人種の特徴を押さえた整容性を解明することを目的とした.具体的には,畳み込みニューラルネットワーク(以下,CNN)を用いて,日本人と欧米人の男女の顔面形状から性徴と人種を分類した際,CNNが分類の根拠とした特徴部位を明らかにした.また,特徴部位における曲線を抽出し,その曲線の曲率半径の変化を曲率プロファイルを用いて分析を行った.
その結果,CNN を用いて顔面の断面画像から,男女と人種に関する顔面の特徴を得ることができた.男女に関する顔面の特徴は,男性が鼻尖部の尖り,目頭から眉弓にかけての隆起,オトガイ孔から下唇にかけての隆起,女性が目と下顎の丸みであった.これは医学的な特徴である,男性は眉弓の隆起,女性は下顎角骨の曲線とも一致していた.また,人種に関する顔面の特徴は,モンゴロイドが側頭骨,頬骨,上顎骨の凸み,コーカソイドが目の凹み,上顎骨の凹みであった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

アメリカ Northwestern 大学での顔面計測も,コロナ禍の中,一時中断もあったが,現在は比較的順調に進んでいる.また,顔面の中心線や主要な断面線の自動描画システム,CNN が獲得した特徴部位を Grad-CAMを用いてヒートマップで視覚化するシステムも完成し分析も行った.その結果,査読付き論文1報,口頭発表2件として外部発表も行った.
また,目,鼻,口,額などの形状が異なる顔面部位サンプルを作成し,そのサンプルに対するバランス(整容性)に関してアンケートを行い,それらに影響を与える部位,および部位間の関係を定量化,体系化(タイプ分類)するシステムの作成にも着手している.

今後の研究の推進方策

令和6年度は,Northwestern 大学においてさまざまな人種のアメリカ人の顔面計測をさらに進める予定であり,加えてCNNでの分析も引き続き行う予定である.
また,目,鼻,口,額などの形状が異なる顔面部位サンプルを自動で作成し,そのサンプルに対するバランス(整容性)に関してアンケートを行い,それらに影響を与える部位,および部位間の関係を定量化,体系化(タイプ分類)を行う予定である.
さらに,人中や耳介単体にスポット当てて,曲線面を詳細に分析するシステムの構築にも着手する予定である.

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] Northwestern 大学(米国)

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 2つの人種間ならびに男女間の顔面形状における深層学習を用いた特徴部位抽出と曲線分析2024

    • 著者名/発表者名
      山田 大稀, 原田 利宣, 山田 朗, ニクヒル シャー, エミリー チュワ, ソフィア アリソン
    • 雑誌名

      日本感性工学会論文誌

      巻: 23 号: 2 ページ: 131-139

    • DOI

      10.5057/jjske.TJSKE-D-23-00047

    • ISSN
      1884-0833, 1884-5258
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] ニューラルネットワークを用いた女性の目元・眉元の印象に関する特徴分析2023

    • 著者名/発表者名
      上野 友裕, 原田 利宜, 石黒 陽平
    • 雑誌名

      日本感性工学会論文誌

      巻: 22 号: 1 ページ: 11-20

    • DOI

      10.5057/jjske.TJSKE-D-22-00026

    • ISSN
      1884-0833, 1884-5258
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 深層生成モデルによる印象語からのメガネデザイン生成システムの開発2022

    • 著者名/発表者名
      諸麦 克紀, 原田 利宣
    • 雑誌名

      日本感性工学会論文誌

      巻: 21 号: 1 ページ: 23-32

    • DOI

      10.5057/jjske.TJSKE-D-21-00039

    • NAID

      130008165009

    • ISSN
      1884-0833, 1884-5258
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 視線解析と深層学習を用いた顔面の部位バランスと整容性の関連分析2024

    • 著者名/発表者名
      上野友裕,原田利宜
    • 学会等名
      情報処理学会第86回全国大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 深層学習を用いた2つの人種間ならびに男女間の顔面形状の特徴部位抽出と曲線分析2023

    • 著者名/発表者名
      山田 大稀、原田 利宣、山田 朗、ニヒル シャー、エミリー チャウ、ソフィア アリソン
    • 学会等名
      第25回感性工学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] デザインシステム計画研究室・研究紹介

    • URL

      https://web.wakayama-u.ac.jp/~harada/research

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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