研究課題/領域番号 |
22K12228
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61060:感性情報学関連
|
研究機関 | 東京都市大学 |
研究代表者 |
広田 すみれ 東京都市大学, メディア情報学部, 教授 (90279703)
|
研究分担者 |
破田野 智美 (竹澤智美) 甲子園大学, 心理学部, 講師 (50425039)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 共視聴 / 映像 / 共感 / 身体性 / ライブ感 / 情動伝染 / 連続測定 |
研究開始時の研究の概要 |
直接的に対象を鑑賞する場合と映像配信の視聴の違いとして言われる、いわゆる「ライブ感」とは何かを、知覚要因と社会要因の両面から検討する実験を行う。具体的には映像視聴場面を対象に、1)視覚の自由度や2)単独と集団での視聴(後者は個人間での直接的/間接的なやり取りの有無を含む)を実験的に操作し、その際の視聴者の知覚・生理要素(温熱感や皮膚感覚、心拍、瞳孔反応等)を測定、その時系列変化や条件間比較を調べ、それらが視聴後の主観評価にどう関連するかを検討することで、「ライブ感」に身体性がどう寄与しているかや、個人視聴と直接一緒に視聴することとSNSなどを介して間接的に共視聴する場合の違いを検討する。
|
研究実績の概要 |
今年度は動画視聴に関する主観の連続測定法、メディアと感情や共視聴に関する文献収集を通し手法の検討と計画の再検討、機器準備を行った。 まず1)動画視聴を生理指標で連続測定した櫻井・清水(2008, 2012)、吉田・福川(2022)、野村・荒生・長谷川(2019)等を検討した。焦点はデバイスによる主観的臨場感の測定法で、先行研究ではスライダーやジョイスティックをHSPやVBのプログラムで制御している。そこでジョイスティックを購入、試作の結果、通常のゲームコントローラが利用可能なことが明らかになった。但し測定する感覚は研究で異なり(例.没入感、ポジティブーネガティブ)、それによりデバイスの動く方向等を決める必要がある。今のところ「ワクワク感」(覚醒&快感情)が候補。感情測定はMauss & Robinson(2009)によるレビューも参考とし、測定指標は、主観測定(「ワクワク感」)、心拍数、血圧が候補で、表情および眼球運動については可能性を検討中。 2)見せる動画の要件も検討した。先行研究では既存の映画から切り出した短いものを使用している(3-5分程度)。本研究では共視聴時のコミュニケーションも問題のため、検討に際し、現実にどんな場面がコメント行動を生みやすいかを山本(2011, 2010)等やTV視聴時のツイート等を参考としてコメント行動とその際の主な感情を踏まえて選ぶ予定。 3)海外では本テーマに関し、感情伝染他、共視聴(co-viewing)研究が一定数あった。だが主に視聴の悪影響に注目した親子の共視聴を扱っているため、そうではない研究(Kim, Merril Jr., & Collins, 2020;Tal-Or, 2016等)を今後検討予定。 なお前身の関連研究を日本心理学会大会で発表し、また電子情報通信学会和文誌に投稿、採録された(竹澤・広田, 2023)。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
先行研究の収集は大体行い、方法の検討は行えたので計画通り。ただしコロナ禍の影響もあり、対面での予備実験は少し遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度は前期のうちに個人での予備実験を行って測定が予定通り実施できるか検討の上、年度末から来年度の初めにかけて本実験(共視聴(直接および間接)の実験)を行う予定。 ただ今年度予定していた国際学会は急激な円安もあり、前年度に実験を行わなかったために生じた残額との合算などと合わせ、実施可能な形式を検討する。当初の位置付けは情報収集のためだったが先送りすることから、成果発表として行うことを考える。
|