研究課題/領域番号 |
22K12229
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61060:感性情報学関連
|
研究機関 | 東京都市大学 |
研究代表者 |
張 英夏 東京都市大学, 情報工学部, 准教授 (50397056)
|
研究分担者 |
齋藤 豪 東京工業大学, 情報理工学院, 准教授 (00323832)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
|
キーワード | 基本色カテゴリ / カラーネーミング / 代表色推定 / カテゴリカルカラーネーミング / 物体固有色 / 物体色名 / 計算機モデル |
研究開始時の研究の概要 |
ユーザの色名による画像検索/操作や,領域の色名判定を利用した画像処理/認識研究が広がりつつある.しかし,光源の影響や記憶する物体固有色などの影響により, 計算機が判定した色名は我々の知覚に沿わないことが多い. 本研究ではヒトの高次知覚特性を取り入れた実用に耐えうる物体基本色名判定手法を確立する. 本目的が実現すれば,ロボットが人間との対話にて色名を理解したり,EC サイトにて事前のタグ付与なしで色名による検索を実現したり,ビッグデータに対し自動的に色名タグ付けしたりなどの幅広い応用が期待できる.
|
研究実績の概要 |
初年度は、光源の影響を排除するため、推測した物体表面色を用いたカラーネーミングを試みた。光源の影響とは、光源の色による影響と、物体の材質によるハイライトやシェードによる影響の2つが考えられる。前者は近年の機械学習によって精度よく推測することができるため、本年度は後者について検討を行った。 与えられた領域から光源のハイライトやシェード部分を除外し、物体の色を推測する方法を考案した。球をレンダリングし、曲面の画素値を明度-彩度平面にプロットすると、シェードやハイライト部分は彩度が低く、シェードやハイライトの影響を受けていない部分は徐々に彩度が高くなる。この性質を利用し、与えられた領域の画素値を明度-彩度平面にプロットし、彩度の高い色を物体色とする手法を提案した。 ただし、表面形状が曲面でないものや画像レタッチなどによって色域を超える色分布を丸め込んだような画像では、うまくいかない場合がある。しかし、そうした場合でも、画素値分布に特徴があることから、明度-彩度平面上での画素値分布形状を学習し、適切な表面色を推定する機械学習に基づいた手法に改良した。 得られた領域の代表色に対し、カラーネーミング手法と組み合わせることで、与えられた領域のカラーネーミングを可能にした。提案手法は、カラーネーミングだけでなく、領域の代表色を必要とする研究、例えば画像からのカラーパレットの抽出や、画像のcolor descriptorとして利用することができる。 なお、本年度の成果に関する発表のうち、CGIP2023ではbest oral presentation awardを受賞した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は与えられた領域のカラーネーミング手法について検討を行った。カラーネーミングを行うための領域代表色は、計画段階で予定していたハイライトおよびシェードの検出に基づいた手法ではなく、より直感的な彩度に基づく手法に変更した。 また、これをカラーネーミング手法と組み合わせることで、初年度に予定していた、光源色の影響を排除したカラーネーミング手法を提案し、おおむね予定通り研究が進んでいると考えられる。
|
今後の研究の推進方策 |
2022年度の成果をまとめ、評価実験を追加したうえで論文誌に投稿することとし、その後、当初の計画に則って研究を推進していく。具体的には、以下の2点について検討を行うこととする。まずはじめに、低彩色のカラーネーミングについて検討をおこなう。低彩色の場合周辺色の影響を強く受けるため、周辺を考慮する必要があるが、「周辺」の定義やその影響度合いについて検討を行う必要がある。従来研究の知見に加え、被験者実験に基づいて計算機モデル化を進めていく。また、物体固有色に関する検討を行っていくこととする。全体的に被験者実験と計算機モデルの確立、システム化を平行して進める必要があるため、スケジュール管理に留意する。
|