研究課題/領域番号 |
22K12234
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61060:感性情報学関連
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研究機関 | 木更津工業高等専門学校 |
研究代表者 |
小田 功 木更津工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (80321404)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 視感評価 / 画像解析 / メタリック塗装 / 粒状感 / 漆 / 蒔絵 / 官能評価 / 伝統工芸 / 色彩評価 |
研究開始時の研究の概要 |
蒔絵に用いられる金属粉には多くの種類があるが,蒔絵職人は,その使い分けを経験に基づく自分の感性で決めている.他にも蒔絵職人は,“見立て”と呼ばれる作品の目視観察を通して,使用している金属粉や漆の種類,製法など作品の特徴を認識する技能を有する.メタリック塗装やパール塗装など工業用塗装に関する研究の報告はあるが,伝統工芸品である蒔絵を対象とした報告は例がない.そこで本研究では,蒔絵の光学特性を分析することで,蒔絵の色彩や光輝感の発生原因を解明する.次に見立ての動作解析を行い,作品の特徴認識に最適な観察条件を特定する.光学特性の分析結果と動作解析との相関をとり,特定した観察条件を客観的に裏づける.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,黒色の品質感を数値化することである.蒔絵職人の暗黙知を形式知化することである.蒔絵に用いられる金属粉には多くの種類があるが,蒔絵職人は,その使い分けを経験に基づく自分の感性で決めている.他にも蒔絵職人は,“見立て”と呼ばれる作品の目視観察を通して,使用している金属粉や漆の種類,製法など作品の特徴を認識する技能を有する.以上の技能の習熟には10年以上という期間を要し,熟練職人の高齢化もあり,効率的な技能伝承を実施する必要に迫られている. 本年度は,丸粉を蒔いた蒔絵の粒子感に着目して研究を進めた.蒔絵粉の形状には多くの種類があるが,その中でも丸粉は,蒔絵に多様な表現効果をもたらすことができる.丸粉を蒔いた蒔絵は粒径によって見た目の印象が大きく異なるが,その原因は解明されていない.そこで伝統的な製法に則って丸粉を蒔いた試験片をいくつか製作し,その顕微鏡画像から新たな画像解析方法を用いて金粉粒子の外周間距離を測定した. 蒔絵表面の漆の視認性に着目して検討した結果,(1)肉眼では2号粉と3号粉の蒔絵の漆を視認できなかったが,実際にはどちらも漆が表面に露出しているうえ,露出面積は金粉よりも漆の方が広い,(2)各号数の金粉において最も一般的な密度で蒔いた場合,金粉の粒径が大きいほど金粉粒子の外周間距離も大きくなる傾向がある,(3)2号粉と3号粉で漆を肉眼で視認できない理由は,どちらも金粉粒子の外周間距離が,明視域で人間の目の分解能の限界を超えるからである,という知見を得た.これらの知見より,小さな粒径の丸粉を蒔いた蒔絵がのっぺりして見えるのに対し,大きな粒径の丸粉を蒔いた蒔絵では粒子感が高く見える原因は,金粉粒子の外周間距離の大きさの差であることが示せた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究成果を論文にまとめ,11月に査読論文に投稿することができたため.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,蒔絵試験片の測色を行う.マルチアングル分光測色計を使用し,多方向から観察したときの色彩を数値化する.観察方向による色彩の変化を捉えることで,蒔絵の光学特性が,メタリック塗装やパール塗装とは異なることを示せると考えている.
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