研究課題/領域番号 |
22K12261
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62010:生命、健康および医療情報学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
菅野 亜紀 富山大学, 学術研究部医学系, 特命助教 (20457039)
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研究分担者 |
高岡 裕 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (20332281)
大田 美香 富山大学, 学術研究部医学系, 特命助教 (20274706)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 分子シミュレーション / 薬効予測 |
研究開始時の研究の概要 |
抗がん剤の薬物感受性(薬効)や副作用には、抗がん剤の標的や代謝に関する分子の遺伝子変異が関連していることが知られている。これまでの知見が蓄積され一部については関係が明らかになり、例えば、肺がん分子標的薬は上皮成長因子受容体(Epidermal Growth Factor Receptor, EGFR)の遺伝子検査結果に基づいて投与される。EGFRの新規遺伝子変異は相次いで発見されているが、一部の変異以外はその薬物感受性は不明のままである。 本研究では、肺がん分子標的薬の第2世代のアファチニブを対象に変異型EGFRへの薬効予測を実現する分子シミュレーション解析手法と数理モデル系を確立する。
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研究実績の概要 |
本研究では、抗がん剤投与の判断指標を提供することを最終目標として、肺がん細胞で新規変異体の発見が続く上皮成長因子受容体(EGFR)に対し、肺がん分子標的薬第2世代のアファチニブを対象に変異型EGFRへの薬効予測を実現する分子シミュレーション解析手法と数理モデルの確立を目的とする。具体的には、我々がこれまでに分子標的薬第1世代ゲフィチニブでの解析で用いた条件を参考に、アファチニブによるチロシンキナーゼ活性阻害を再現可能な解析条件を決定し、数理モデル作成に用いる特徴量を解明する。そして、薬効不明の変異型EGFRを有する非小細胞肺がん細胞へのアファチニブの薬効を予測可能にする。 令和4年度は、分子シミュレーション解析のための文献調査を行った。はじめに、解析対象とする変異型EGFRを検討するため、アファチニブの薬効を報告した文献を調査した。次に、EGFRとアファチニブとの複合体における分子間相互作用を調査し、これまでのゲフィチニブでの分子シミュレーションの解析系の利用の可否を検討した。また、今後の解析の参考として、EGFR分子が1種類のアミノ酸変異を有する場合と2種類の場合で薬効の判定が変化するか、第1世代のエルロチニブを用いて分子ドッキングシミュレーションで確認した。 文献調査の結果、これまでに実験に用いた変異型EGFRでアファチニブの薬効に関する報告があったため、これらの変異型も対象として選定した。そして、アファチニブはゲフィチニブと化学構造上の共通点があり、EGFRとアファチニブの複合体のX線結晶構造解析でゲフィチニブと同様の相互作用が報告されていることから、これまでの解析系を適用可能と判断した。今後更なる検証を進めていく。エルロチニブでの分子シミュレーションでは、我々の解析系での算出結果が文献での結果と一致し、再現可能なことが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初、分子シミュレーション解析を行う予定だったが、計算環境の準備と文献調査で想定以上に時間を要した。そのため、やや遅れていると判定した。
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今後の研究の推進方策 |
アファチニブとEGFRの分子シミュレーションを実施し、変異型毎に薬効を算出すると共に解析系を検証する。
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