研究課題/領域番号 |
22K12266
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62010:生命、健康および医療情報学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
撫中 達司 東海大学, 情報通信学部, 教授 (00757594)
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研究分担者 |
柴田 健雄 東海大学, 健康学部, 講師 (30366033)
田中 伸幸 一般財団法人電力中央研究所, サステナブルシステム研究本部, 上席研究員 (30371363)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ケアプランPDCAモデル / 介護指標自動評価 / 行動認識 / 介護オントロジ / 被介護者介護レベル分析 / 介護IoT / ケアプラン / 介護記録 / 介護ストレス / ナレッジグラフ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,介護行為や介護時の被介護者の様子が記載された介護記録と,被介護者のバイオデータを含むセンサデータにより生成する生活行動オントロジとを意味的に統合した国際生活機能分類ICF*準拠の介護オントロジにより,被介護者の身体/精神状態を考慮した介護行為のレベルやタイミングを適切に推薦するケアプランPDCAモデルを実現し,介護QoLの向上につながる「被介護者の望む介護」により,高齢者介護の充実化に貢献する.
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研究実績の概要 |
本研究では,介護行為や介護時の被介護者の様子が記載された介護記録と,被介護者のバイオデータを含むセンサデータにより生成する生活行動オントロジとを意味的に統合した国際生活機能分類ICF準拠の介護オントロジにより,被介護者の身体/精神状態を考慮した介護行為のレベルやタイミングを適切に推薦するケアプランPDCAモデルを実現し,介護QoLの向上につながる「被介護者の望む介護」により,高齢者介護の充実化に貢献する。 ①介護指標自動評価アルゴリズム:自由記述された,あるいは介護アプリケーションなどにより作成された介護記録を自然言語処理し,結果の意味ベクトル表現を活用して日常生活行動ADLや介護行為を抽出し,a.ADL自立度(ICF準拠),b.介護時の心理状態指数,c.介護士による介護行為レベルを自動評価する。 ②行動認識アルゴリズム:被介護者のバイオデータ(心拍,体温,発汗等)により,d.健康状態,e.ストレス状態指数を把握し,さらにはニオイセンサを活用した介護施設の環境データをもとにした f.介護環境指数を自動評価する。 ③ICF準拠介護オントロジ生成アルゴリズム:ICFが定義するオントロジを拡張し,介護記録,センサデータから①②により自動生成した情報を被介護者固有データ(プロパティ)として管理,検索可能なICF準拠介護オントロジを生成する。この際,自然言語処理とその結果を時系列データ分析に有効なアルゴリズムであるLSTMを活用する。 ④被介護者介護レベル分析アルゴリズム:被介護者のADL自立度,心理状態,健康状態,介護ストレス状態などを検索条件として,被介護者に対して行う介護レベル,タイミングをケアプランPDCAモデルにより推論し,被介護者に対して実施した介護行為の改善策となる介護ケアプランを提示し,被介護者や介護行為を実施した介護士の満足度を階層分析法(AHP)により評価する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
22年度は,②,③において,これらを実現するための要件定義を行うことに注力し,実際に介護業務を行っている企業に協力をいただき,機能要件を定義し,その評価システムの検討を行い,以下の2件の成果を発表した. なお,これらの検討にあたり,介護施設を運用する企業に協力を仰ぎ,施設における要介護者ケアに求められる要件を抽出し,今回は,介護施設において最も多くの事故原因となっている転倒・転落に着目し,カメラ動画から骨格座標を抽出し,その座標から歩行状態を認識する(歩容認識)ためのアルゴリズムの検討を行い,その結果を学会発表した. また,介護記録とともに介護施設において自己再発防止に活用しているヒヤリハットを分析し,知識化(オントロジ作成)することにより,事前の対策を実施するアルゴリズムの検討を行い,その結果を学会発表した. (a) 歩容認識による転倒検知方法の検討,情報処理学会第85回全国大会 (b) オントロジ推論を用いたヒヤリハットに基づく介護事故の予測と対策に関する検討,情報処理学会第85回全国大会
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今後の研究の推進方策 |
23年度は,介護指標の策定を主たる目的として取り組む.22年度の成果について客観的な評価を実施する上では,被介護者,介護者,介護施設など,介護に係わる要因を分析し,相関を明確にした上で,その結果を評価するための介護指標が重要となる.国際標準で規定された内容を調査するとともに,介護業務に携わる実務者からのヒアリングを行い.実態に即した介護指標を策定する予定である.
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