研究課題/領域番号 |
22K12270
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62010:生命、健康および医療情報学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
東 裕介 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 専門技術員 (80585034)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 顕微鏡画像処理 / 深層学習 / バイオイメージ・インフォマティクス |
研究開始時の研究の概要 |
近年の深層学習技術の発展は著しいが、生物系の研究室で利用されることは稀である。その理由は、①深層学習モデルを各自の画像と計算機環境に最適化させるのが困難であり、②学習データの準備に多大な労力が必要だからである。本研究では、これらの問題を解決して深層学習による顕微鏡画像処理を自動化する。①の問題は申請者の独自手法である生物学的制約付き最適化によりパラメータ探索空間を大幅に削減して解決する。その結果、任意のモデルを画像と計算機環境に合わせて自動最適化することを可能とする。②の問題は近年増加している注釈付き画像のデータベースから、適用画像に類似したメタ情報を持つ画像を自動取得することで解決する。
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研究実績の概要 |
本研究では、生物学研究における深層学習の利用促進のため、顕微鏡画像処理の自動化を目指す。そのため、深層学習モデルを自動最適化する方法と学習データ自動構築方法を開発する。昨年度までの研究において、深層学習モデル(セグメンテーション、機能拡張、分類)のうちセグメンテーションと機能拡張について、自動最適化方法を構築した。分類については同様の仕組みにより自動最適化できるため、今年度は学習データ自動構築方法の開発と、深層学習モデルの実応用に注力した。まず、学習データ自動構築方法の開発のため、基盤となる顕微鏡画像データの管理・共有のためのシステムの構築を始めた。ここでは、顕微鏡画像データにメタデータやアノテーションを付与して管理するとともに、利用者が必要なデータを容易に取得する機能を提供する。このシステムは組織全体で利用することを前提に開発を進め、来年度中のサービス開始を目指している。今年度は、顕微鏡で撮影した画像データをサーバーに自動転送するためのシステム構築に取り組んだ。顕微鏡の制御PCは一般にLANに接続されていないため、サーバーへのデータ転送用PCを用意し、USB接続することとした。今後、サーバー上の画像データを管理・共有する機能を追加し、早期にサービスを開始したい。また、深層学習モデルの実応用として、分野外のデータを選択し、本方法の高い一般性を示すことを計画した。そのための応用先として、X線CTで撮影した材料画像を選定した。撮影機器も撮影対象も全く異なるが、見た目としては非常に近い画像であるため、本方法が有効ではないかと期待した。既に期待通りの結果が得られつつあるが、今後定量的な評価を進め、確固たる結果を得たい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究目標達成のために必要な開発2項目のうち、1項目について、既に開発に成功し成果を誌上発表している。残りの1項目についても順調に開発が進んでいる。加えて、開発した方法の実応用も進んでおり、計画以上の成果が得られるのではないかと期待している。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究により、深層学習モデルを自動最適化する方法の開発に成功しており、今後は学習データ自動構築方法の開発と、深層学習モデルの実応用に注力する。学習データ自動構築方法については、当初個人レベルでの構築を目指していたが、所属および業務内容の変化に伴い、組織レベルでの構築が可能となった。そのため、より広い視野に立ち、多くの研究者が使いやすい方法を開発することを目指している。実応用に関しても、同様の理由で生物学分野外の研究者との共同研究が進んでおり、より汎用的な成果としたい。
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