研究課題/領域番号 |
22K12278
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62020:ウェブ情報学およびサービス情報学関連
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
立野 繁之 早稲田大学, 理工学術院(情報生産システム研究科・センター), 教授 (70243897)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 位置推定 / IoT機器 / 電波強度 / IoT / LoRa |
研究開始時の研究の概要 |
高齢化が進む近年、病院や介護施設などにおいて、建物を無断で抜け出したり所定のフロア以外に移動するなどしたりして所在不明となる認知症患者の増加が問題となっている。 本研究では、担当者(介護従事者や看護師)の負担の軽減、対象者の安全性確保や異常の早期発見を実現するために、無線ネットワークZigBeeとLoRaを利用し、監視者が認知症患者や高齢者の位置情報・活動情報を遠隔でリアルタイムに取得できるハイブリッドな遠隔モニタリングシステム(見守りシステム)の開発を目的とする。
|
研究実績の概要 |
本研究では、2つの目標である「病院での入院患者や介護施設の入所者の安全性の確保」、および「看護師・介護スタッフの作業の効率化による負担軽減」を実現するために、IoT用の近距離無線通信の一つであるZigBee無線を用いて、患者や要介護者の現在位置や活動情報を離れた箇所にあるモニタリングルーム(スタッフステーション等)でリアルタイムにモニタリングするシステムの開発を行っている。 本年度においては、新型コロナウィルスの影響により当初予定していた回数の予備実験、および実際の外来患者が滞在している環境下での本実験を行うことができなかったため、前年に行った病院内で電波強度を用いたモニタリング実験のデータを精査し、フィンガープリント法を用いた位置推定のためのオフラインデータとして使用した。
自作した30台の壁設置型デバイスを3階建ての建物内に配置することで、各階を配線で繋ぐための高価なインフラを準備することなく省電力のネットワークを構築することが可能である。ポータブルデバイスで収集した電波強度のデータをもとにしたフィンガープリント法を使用し、モニタリングルームからリアルタイムに監視対象者の位置を推定できる。 データに含まれる電波強度のノイズを考慮し、深層学習を用いたデータの補間法を検討した。実測データに生成データを加えた混合データを位置推定用のデータセットとすることで、推定精度の向上が見込める。また、位置推定モデルとして近傍探索法(KNN; K-Nearest Neighbor)、重み付き近傍探索法(WKNN; Weighted KNN)、およびDNN(Deep Neural Network)を検討した。混合データを用いることで、DNNが他の2つの方法と比べて推定精度が20%~40%向上できることを示した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、新規に設計した壁設置型無線デバイスと小型化したポータブル無線機器を用いて、医学系の研究協力者に依頼し実際の病院内でモニタリング実験による位置推定の検証を行う予定であった。しかし、新型コロナウィルスの影響のため、既存のデータの精査のみとなった。
|
今後の研究の推進方策 |
来年度は、実際の病院で複数のフロアを包括した広いエリアを対象とした実環境下でのリモートモニタリングシステムの実証実験を行う予定である。
|