研究課題/領域番号 |
22K12280
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62020:ウェブ情報学およびサービス情報学関連
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
関 和広 甲南大学, 知能情報学部, 教授 (30444566)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 景況感指数 / 足元予測 / バイアス / Data to text / テキストマイニング / 自然言語処理 / 機械学習 / ディープラーニング |
研究開始時の研究の概要 |
近年,従来の経済統計を代替するオルタナティブデータの利用が進んでいる.本研究では,経済分野におけるAIの応用を推進するため,1)ソーシャルメディアを利用した経済指標の予測,2)経済指標から見た新聞社による論調の違いの定量化,3)経済時系列データを解釈するための平易な言語化を実施する.これらのサブテーマを統合することで,経済関連テキストの数値的要約と非専門家向けの言語化を行う一連の枠組みを構築する.
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研究実績の概要 |
本課題では,経済分野におけるAI・テキストアナリティクスの応用を推進するため,3つのサブテーマについて研究を行っている.一つ目は (A) ソーシャルメディアを利用した経済指標の予測であり,申請者がこれまで新聞記事で行ってきた景況感の足元予測をソーシャルメディアに応用し,リアルタイム性の向上と適用範囲の拡大を図るものである.二つ目は,(B) 景況感などの経済指標から新聞社による論調の違いを定量化する研究である.そして三つ目は (C) 経済時系列データを解釈するための平易な言語化であり,経済分野で公表される種々の経済・金融指数を非専門家向けに言語化する.最終的にこれらのサブテーマを統合することで,経済分野における大量のテキスト情報を数値的に要約(予測)し,さらに予測された経済指標の変動が意味するところを平易に言語化する一連の枠組みを構築することを目指している.
サブテーマ (A) については初年度にTwitterを用いて予備的な実験を実施・報告を行ったが,その後,Twitter社の買収に付随してTwitter APIの研究利用が大きく制限されてしまった.そのため,現在はソーシャルメディアではなくウェブ記事を用いることで,景況感予測のリアルタイム性向上を図っている.サブテーマ (B) については,2年間分の日本経済新聞,読売新聞,毎日新聞,朝日新聞を用いて景況感指数を予測し,これを動的因子モデルを用いて分析した.その結果,各紙の固有因子の大きさが各紙の論調(政治的スタンス)にほぼ一致すること,および共通因子が消費者物価指数や日銀短観といった指数と相関が高く,バイアスの少ない景況感指数として有望であることを示した.一方,サブテーマ (C) については着手できなかったため,3年目以降に進めていく計画である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで得られた結果を基に国際会議や論文誌での発表を行っており,おおむね研究計画通りに進展している.
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今後の研究の推進方策 |
サブテーマ (A) (ソーシャルメディアを利用した経済指標の予測) については長期間のデータの収集が実質的に難しくなったため,ウェブニュースを用いてリアルタイム性の向上を図っており,今後も引き続き同データの収集と分析を進めて行く.サブテーマ (B) (景況感などによる新聞社の論調の違いの定量化) については,当初の研究計画通りに進捗・終了し,国際会議および論文誌でも成果を公表済みである.サブテーマ (C) (経済時系列データを解釈するための平易な言語化) については,現在共同で研究を行っているシンクタンクが発行する経済レポートを学習データに用いることを検討中であり,今後予備実験などを進めていく.
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