研究課題/領域番号 |
22K12283
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62020:ウェブ情報学およびサービス情報学関連
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研究機関 | 福井工業高等専門学校 |
研究代表者 |
小越 咲子 福井工業高等専門学校, 電子情報工学科, 教授 (70581180)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 発達障害 / ICT / 動機付け / 室内環境 / 支援機器 |
研究開始時の研究の概要 |
コロナ禍、ITを用いた教育や家庭内で教育を受ける時間も増加している。従来から発達障害、特に自閉スペクトラム症(ASD)教育・療育のフィールドにおいて「動機付け」と「構造化」は有効な教育方法として重視されてきたが、個人毎に「動機付け」「構造化」は画一的なものではなく、個人特性によって異なるものである。本研究では日々の状態像と個人特性にあった「構造化」と「動機付け」を実現するための、室内環境とITを用いたインタフェースについて生理指標,行動指標,学習指標を開発し、個人特性にあった構造化および動機付けを可能とする環境を提案,実現する。
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研究実績の概要 |
本研究では日々の状態像と個人特性にあった「構造化」と「動機付け」を実現するための、室内環境とITを用いたインタフェースについて生理指標,行動指標,学習指標を開発し、個人特性にあった構造化および動機付けを可能とする環境を提案,実現する。 今年度は特に先行研究において抑うつ的な個人における動機付けの低下が多く報告されており、抑うつ的な個人における認知機能の低下が動機付けの異常によってもたらされているとする報告もある。そのため、抑うつに関して調査を行ったところ、抑うつ傾向の高い群と低い群で、他者参照と同調に有意な差が認められた。そのため、他者との比較が難しく、同調する必要がない課題設定ができるような教育支援方法を考案中である。 また、抑うつ傾向のある人々は、他者の表情からポジティブおよびネガティブな感情が容易に引き起こされることが報告されていのではないかという仮説をたて、非常に小さな体の動きから情動認知を行う実験課題を開発し、予備実験を行った。抑うつ傾向が高い人は、低い人に比べて、感情認知課題において正当数が低く、ポジティブ感情をネガティブ感情と誤認、またはその逆も多いことがうかがえた。コミュニケーション、ソーシャルスキルトレーニングを行うことにより、個々の認知の歪みを理解し、より現実的な解釈を促すことで、心理的なストレスを減少させる、対人関係における不安を軽減することが必要と考え、抑うつ傾向のある人々が他人の行動をより正確に解釈し、心理的な負担を軽減するための支援プログラムの開発につなげる予定であり、そのための予備実験を行った。また、子どもの行動履歴から、子どもの日々の状況を自動で要約作成する機能をLLMとRAGを用いて実現し(個人情報を扱う部分をRAGで対応)、研究協力者にヒアリング調査を行ったところ、業務負担の軽減として非常に高い評価を得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
抑うつに関して調査を行ったところ、抑うつ傾向の高い群と低い群で、他者参照と同調に有意な差が認められた。そのため、他者との比較が難しく、同調する必要がない課題設定ができるような教育支援方法を考案中である。 また、抑うつ傾向のある人々は、他者の表情からポジティブおよびネガティブな感情が容易に引き起こされることが報告されていのではないかという仮説をたて、非常に小さな体の動きから情動認知を行う実験課題を開発し、予備実験を行った。抑うつ傾向が高い人は、低い人に比べて、感情認知課題において正当数が低く、ポジティブ感情をネガティブ感情と誤認、またはその逆も多いことがうかがえた。コミュニケーション、ソーシャルスキルトレーニングを行うことにより、個々の認知の歪みを理解し、より現実的な解釈を促すことで、心理的なストレスを減少させる、対人関係における不安を軽減することが必要と考え、抑うつ傾向のある人々が他人の行動をより正確に解釈し、心理的な負担を軽減するための支援プログラム、支援システムの開発のための予備実験を行った。 また、子どもの行動履歴から、子どもの日々の状況を自動で要約作成する機能をLLMとRAGを用いて実現し(個人情報を扱う部分をRAGで対応)、研究協力者にヒアリング調査を行ったところ、業務負担の軽減として非常に高い評価を得られた。
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今後の研究の推進方策 |
現在行っている、調査、実験を引き続き行いながら、個人特性に応じた動機づけを行う仕組みをもつ教育支援システムの設計、そのUIの構造化について、検討を行い、プロトタイプシステムの開発を行う。さらに実証実験につなげ、効果の検証を行う。加えて内発的動機づけを促す要因について調査し、内発的動機づけを促せるような仕組みを考えることと、本人のみならず支援者の動機づけや支援につなげられるような要因について調査、分析、提案を行っていく予定である。
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