研究課題/領域番号 |
22K12297
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62030:学習支援システム関連
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
大西 淑雅 九州工業大学, 情報基盤センター, 准教授 (50213806)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 学習活動 / API / 保存 / 認証基盤 / 学習分析 |
研究開始時の研究の概要 |
インターネット環境の高性能化は、学習機会の多様化を加速すると共に、様々な学習ツールやサービスを組み合わせた学習を一般的なものとしつつある。それに伴い、学習活動データは様々な場所やシステムに分散して保存されるため、学習分析に必要なデータの網羅的な収集はますます難しくなると思われる。 本研究では、学習活動のデジタルバンクの実現を目標に、学習活動データおよび関連データの相互参照の実現を目指す。具体的には、既存のオープンソース認証ツールを拡張とAPI化ツールの開発を行う。これにより、従来難しいとされる、個人所有の情報デバイス上に一時保存された、学習活動データの取り扱いが可能となる。
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研究実績の概要 |
本研究では、学習機会の多様化を踏まえ、従来とは異るアプローチでの学習活動データの収集法を検討し、その実践評価を行っている。本年度は、ベースとなる情報を収集するため、LMS のデータベースの解析を行い、どのような教育コンテンツが実際の授業で使用されているか調査を行った。同時に、授業をいくつかの系統にわけ、同一教員における複数年のコース内の構成や、同一科目における異なる教員のコース内の構成などを調査することができた。また、API 連携の実践例として、LMS へに対してコンテンツや履歴をバックアップし、別サーバへリストアを行うオリジナル APIをローカルプラグインとして開発した。この実績を活かし、LMS 上の学習活動を収集する仕組みの設計・開発を進める。 その他、オープンソースの認証基盤をベースに、学習活動データの管理機能の設計を進めた。オリジナルプラグインとするか既存 APIの拡張で実現するかなどの検討を行った。さらに、オープンソースのファイル管理システムの APIについても調査を進めた。これにより、ファイルベースのやり取りが自動化できる目途をたてることができた。 今後、学習活動データの移動/参照/削除などの基本管理機能の設計/開発を進めると共に、各種情報システムに対する「学習活動データの収集」や「利用範囲の設定」などの実現を目指す。また、学外における学習環境や関連インターネットサービスに対する「学習活動データの収集」や「サービスに対する各種連係の設定」などの設計と実装を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
学習活動データの管理機能の設計と開発については概ね順調に進んでいる。特に、認証基盤のAPI 活用やLMS の API活用などについては、十分な調査と設計を進めることができた。また、個人PCに保存された学習活動データの登録機能の設計と開発については、ファイル管理システムの API活用の試行を踏まえ、概ねの設計と関連情報の調査を進めることができた。結果、学習活動データの移動/参照/削除などの基本機能に関しては計画通り研究を進めることができた。 一方、「API 化ツール」の設計と開発については、既存の ETLツールとの連携やクラウド連携処理などの実証実験に時間を要したため、計画より遅れている。次年度以降、実証サーバの導入を含めて、これらの設計と開発を進める予定である。また、認証基盤の機能拡張に関する設計と開発も遅れている。これは、オープンソースの認証基盤の基本構成が大きく変更があったためである。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、遅れている「API 化ツール」の設計と開発と、認証基盤を用いた管理機能の機能拡張について、重点的に研究を進める。また、実証サーバの導入を令和5年度内の早い時期に行い、実装や試行などを効率良く実施できるようにする。 本年度に検討した各個人のPCに存在する学習活動データの登録機能については、より具体的な設計と実装を進める。なお、研究目標であるデジタルバンクを実現するためには、既存e ポートフォリオシステムを参考に研究を進める必要があるため、必要な調査・情報収集を行った上で、デジタルバンクの検討を進める。 学習活動データの収集/分析に関する評価については、新に検討した「学習エフォート」が上手く学習分析のひとつの指標として適切であるか検証を行う予定である。
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