研究課題/領域番号 |
22K12300
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62030:学習支援システム関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
武田 聡 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (90343540)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | バーチャル患者 / シミュレーション / アナフィラキシーショック / 敗血症性ショック / 高規格シミュレーター / 診断 / 治療 / 臨床実習 |
研究開始時の研究の概要 |
バーチャル患者シミュレーターはさまざまな可能性を秘めたシミュレーション方法かと考えている。 今回の研究では、医学生の臨床実習において、 1)在宅からでも参加可能なe-ラーニングによる反転授業とバーチャル患者シミュレーターを組み合わせた事前学習は、知識だけではなく技能や態度においても有効か? 2)これらの事前学習の効果を忠実度の高い高規格シミュレーターやビデオデブリーフィン グで評価することが可能か? 3)このシームレスな組み合わせによる臨床実習により、臨床現場で直ぐに働ける 実践的 な医学生(研修医)を育成できるか? を明らかにしたい。
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研究実績の概要 |
バーチャル患者シミュレーターを活用した「Body Interact」を医学生の臨床実習に既に取り入れている。このバーチャル患者シミュレーターは、個人の臨床実習の事前学習になるだけではなく、複数の医学生で一つの症例を議論しながら診断治療していくプロセスでも活用が可能であり、さまざまな可能性を秘めたシミュレーション方法かと考えている。 医学科4-5年生(1週間実習)と医学科5-6年生(1ヶ月実習)に対して、初日にバーチャル患者シミュレーターを活用した「Body Interact」を渡し、2つの典型的なショック症例(アナフィラキシーショックと敗血症性ショック)の症例を必ず経験させ、その診断課程、安定化課程、治療過程、について学んでもらい、最終日の改善度などの情報収集を続けている。診断はつけられるが、その診断の根拠となる身体診察や検査などのプロセスが不明確である学生が多数おり、これらは実際の臨床現場でも同じ課題があると考えられ、これらを改善できれば実際の臨床現場でしっかりと役に立つ思考過程を学ばせることができる有用なツールになりうると考える。 この2年間の研究で、現在までに1292名のデータを集めることができ、これらの詳細な分析を始めている。引き続きデータ収集も続けていき、最終年の来年度の学会発表と論文発表に繋げたいと考えている。 最終的には、さらにこの延長として、実際の救急の臨床現場で、アナフィラキシーショックの患者や、敗血症性ショックの患者を前に、研修医や指導医の指導の元で、バイタルの判断、初期治療、血管収縮薬の投与、その後の抗生剤投与、などなどを実習できれば良いと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
この「Body Interact」によるデータ収集は順調に進んでいるものの、その後の高規格シミュレーターを使用した、アナフィラキシーショックと敗血症性ショックに対して、事前学習がどのような影響を与えて、どのように手技と態度を変えることができたか、については、新型コロナの影響もあり、Face to faceでのシミュレーターの前での実習を提供することが非常に難しく全員からのデータ収集ができておらず、この部分が引き続き遅れている。 さらに、新型コロナの影響で、学会発表の機会も制限されてきたこともこの理由に挙げられる。 このような集合学習が制約されたことが一番の遅れの理由であり、これらも徐々に集合学習が戻ってきており、次年度の状況に期待したい。
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今後の研究の推進方策 |
画面上のバーチャル患者での経験が、シミュレーション現場でのシミュレーターを使用した実際の実技にどの程度の学習効果を持つのか、また最終的には実際の臨床現場でのリアルな患者に対してどの程度の学習効果を持つのか、については、引き続き検討を目指すが、現実的にここまで残された1年で到達するのは難しい可能性もある。 先ずは「Body Interact」によるデータ収集から得られた多くのデータを分析して、それを解析することから得られる知見を抽出したいと考えている。また今後はこのface to faceの高規格シミュレーターを使用した実際の手技と態度の部分の評価を強化を目指して、データ収集を続けていきたい。(もちろん可能であれば臨床現場でのリアルな患者に対しての対応についても検討が行えればと考えている。) 新型コロナの影響で、学会発表の機会も制限されてきた。今年度は国内外での外部へのアウトプットとそのレスポンスを得て、さらにこの新しい分野での研究を進めていきたいと考えている。
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